国内小説– category –
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原進一『アムステルダムの詭計』感想|嘘か真か…?
突然ですが、ミステリーはお好きでしょうか? 近頃は、「人が死なない」「日常の謎」などライトなものが増えています。 今回ご紹介するのは、そんな世間の流れに逆らうかのように現れた本格派です。 少しでもピンときた方は、ぜひお手に取っていただきたい... -
『消滅世界』感想|後味の悪さが醍醐味?村田沙耶香さんの衝撃作
2016年の芥川賞受賞作「コンビニ人間」の著者、村田沙耶香さんの作品です。衝撃作として話題になっていたので読んでみました。 タイトルから浮かぶ、「何が“消滅”するの?」という疑問は読み進めるにつれて、なるほど、と納得していきます。 【『消滅世界... -
『オレたちバブル入行組』感想|銀行内でのしのぎを削る戦い
バブル期に銀行に入社したものの、銀行内でのしのぎを削る戦いの中で、銀行員たちがいかにして自分の身を守るかの物語 メガバンクの外面と内面とはどういったものなのでしょうか? 世間で言うメガバンクとは、聞こえもよく、対面的に大企業で華やかですが... -
『オレたち花のバブル組』感想|淘汰される銀行、そうでない銀行。過去からの銀行体質
日本の金融界は幼稚園のような甘い護送船団方式で守られていた 終戦直後からバブル崩壊までの間、日本の銀行は1社も潰れていない。 それは一重に、金融庁が、いや日本政府が銀行を潰してはならない。 との厳命であった。 その弊害が銀行のあらゆる面で出... -
『ボックス!』感想|新社会人のあなたへ。【男の青春小説】
今回紹介するのは、第6回本屋大賞5位に選ばれた百田尚樹さんの「ボックス!」 2008年に発行され、市原隼人さん主演で映画化もされています。 タイトルである「ボックス!」は、アマチュアボクシングの審判が試合を再開するときに使う言葉です。 「box=ボ... -
『階段途中のビッグ・ノイズ』感想|青春バンド小説の最高峰がここに!
青春バンド小説の最高峰がここに! というわけで、おすすめしたい一冊が『階段途中のビッグ・ノイズ』です。 『階段途中のビッグ・ノイズ』は2006年に発行された越谷オサム作の青春小説。 青春小説のど真ん中を突っ走っているような小説で、熱い中にも青春... -
『対岸の彼女』感想|現代女性の人間関係を切々に描いた傑作長編
角田光代さんといえば、『八日目の蝉』や『紙の月』など、数々の著作が次々に映画化され、多数の支持を受けていますが、その中でも何度も読み返したくなる作品があります。 それが、今回紹介する『対岸の彼女』です。 角田光代さんはこの作品で第132回直木... -
『くちびるに歌を』感想|あたたかい読後感No.1小説!
あたたかい読後感NO.1小説、というわけでおすすめしたいのが「くちびるに歌を」です。 『くちびるに歌を』は2011年に発行された中田永一作の青春小説であり、小学館児童出版文化賞を受賞した作品でもあります。 そして2015年には映画化。 中田永一さんの代... -
三浦しをん『光』異色を放った不思議な作品【裏しをん】
三浦しをんさんと言えば、映像化された『まほろ駅前多田便利軒』シリーズが有名です。 軽いタッチの作品と、エッセイでも独自の視点で描かれていて多くのファンを獲得しています。 そんな三浦作品で異色を放っているのが、ご紹介する「光」です。 【『光』... -
『朝が来る』感想|特別養子縁組、若年層による妊娠、、社会問題を丹念に描く!
辻村深月さんといえば、10代の若者の心理描写が得意なことで知られていますが、今回紹介する「朝が来る」は不妊治療の末に特別養子縁組で養親になった夫婦、そしてその養子の実母である中学生が登場する社会派の小説です。 不妊、特別養子縁組、中学生によ...