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『青空のむこう』感想|「やり残したことがあるから…」あなたもこの人生に悔いはありませんか?
もし自分が明日死ぬと分かっていたら…あなたは何をしますか? 『家族と過ごす・恋人に愛を伝える・親友にお別れを言う』いろんなやりたいことが浮かんでくると思います。 でも現実は突然やってくるものです。 いつ大切な人に会えなくなるかわかりません。 ... -
『夜のピクニック』感想|美しい情景と高校生たちのリアルな心情
高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。 それは全校生徒が一夜を徹して80キロ歩き通すという伝統行事。 そんな歩行祭の最中に、甲田貴子はある賭けにでることを心に決めていました。 思春期の高校生たちがそれぞれの思いを抱きながら、高校生活最後の思い... -
『つめたいよるに』感想|10ページ前後で創られる美しく不気味な世界は江國香織にしか書けない短編集
世界は広い、とはよく言いますがあまりピンとこない人も多いのではないでしょうか。 わたしもそのひとりで、この本はそんなわたしに世界の乱雑さと美しさ、そしてそれがいかに狭いかを教えてくれました。 ひとつのお話がたったの10ページ前後、そのため話... -
『時限病棟』感想|クライマックスまでのスピード感を楽しむならこの作品
目が覚めて、突然自分の知らない場所に連れてこられていたとしたら…。 そんなことを想像しただけで、少し怖くなってしまいますよね。 題名と共に本作の表紙に書かれた「拉致」「ピエロ」「残り6:08:46」などの、不吉な匂い漂う数々のワード。 いわくつきの... -
『本屋さんのダイアナ』感想|本が繋ぐ2人の少女の友情と戦い
あなたには、「腹心の友」と呼べる友人はいますか? この物語の主人公であるダイアナと彩子は出会ってすぐに大の仲良しになります。 この2人を繋いだのは、お互い本好きだったということ。 2人の友情は成長と共に変容していきますが、互いに大好きな本に力... -
『何もかも憂鬱な夜に』感想|命を肯定し生きる希望の光を灯してくれる物語
生きていて、何もかもが嫌になったことはありませんか。 もう全て投げ出してしまいたいような気分になったり自分が生きていてもしょうがないんじゃないかと思えてきたり何もかもが上手くいかないような気がしてきたり そういう気持ちになったことがある人... -
『壬生義士伝』感想|家族のために命を投げ打った、誠の武士の生き様に誰もが涙する
泣く子も黙る新選組。 その新選組の中で、「人斬り貫一」と呼ばれる剣術の腕前を持つ男がいました。 その男の名は吉村貫一郎。 さて、ここまでくると、この吉村貫一郎の戦いの日々のお話かなと思われる方は多いと思います。 しかし、読み進めるうちに、家... -
『正欲』感想|正しいとは何か?自分の持つ価値観を考えさせられる一冊
あってはならない感情なんて、この世にない。それはつまり、いてはいけない人間なんてこの世にはいないということだ『正欲』本文より引用 同性婚ポリアモリーアセクシャルノンセクシャル 多様性という言葉が浸透してきた現代の中で、本当の意味での多様性... -
『火車』感想|消費者金融に巻き込まれた女性を鋭く描く社会派ミステリー
皆さんも一枚はクレジットカードを持っているのではないでしょうか。 手軽に使えるカードは便利なものです。 作り方もそれほど難しくはなく、キャッシングマシーンも街中に溢れています。 しかし、使い方を誤ると本当に恐ろしい結末が待っているかもしれま... -
『旅をする木』感想|遠い自然を思うことで心豊かになれる
学生のころから北方の自然に憧れを抱き、「いつの日かそこで暮らしてゆくのだ」という思いを持っていたという星野道夫。 彼はアラスカの大自然やそこに生きる動物、自然と向き合い生活する人々を撮る写真家として有名ですが、彼の書く文章もまた、多くの人...