国内小説– category –
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『八日目の蝉』感想|歪んだ母の愛が織りなす切ない物語
優しかったお母さんは、私を誘拐した人でした。ーー インパクトのあるキャッチコピーで映画にもなった話題作、『八日目の蝉』。 不倫相手の妻の子どもを誘拐した女性の4年間の逃亡生活と、事件後大人になった娘の葛藤を描いた二部作です。 生まれて間もな... -
『横道世之介』感想|思い出したとき、思わず笑顔になる人はいますか?
人生には、様々な出会いが訪れます。 地元のお店に入ったとき、以前利用していた電車に乗ったとき、ふと、昔を思い出すことがありますよね。 思い出の中のあなたは、そして傍らにいる人はどんな顔をしていますか?笑っていますか? もう会うことはないかも... -
『ラビット病』感想|凸凹カップルが織りなす愛らしい日常
数々の恋愛作品を手がける直木賞作家、山田詠美さんの19作品目の小説「ラビット病」。 作品のあとがきに、「この物語は、あくまでフィクションである。」と書かれていますが、そのすぐ下に(ほんとだからね!!)と吹き出しのような言葉を間に挟んでいます... -
『強運の持ち主』感想|瀬尾まいこが書く占い師は一味違う
「占い」という言葉に、どんな印象を受けますか? 最近ではメディアでも特集されることが多く、興味のある方が増えているのではないでしょうか。 当たる当たらないは別として、友人や家族ではなく、他人に話を聞いてほしいときが誰しもあるかと思います。 ... -
『子育てはもう卒業します』感想|子どもの人生は子どものもの
子育てをしていると「子どもってなんでこんなに手がかかるの?」「こんな大変な生活がずっと続くの?」「もうやだ疲れたー!」とげんなりしてしまうことがあります。 どんなに可愛い我が子でも、いうことを聞かなかったり、思い通りに育ってくれないと、親... -
『大事なことほど小声でささやく』感想|心を揺さぶり、目頭を熱くさせる
普段どのような小説を読んでいますか? ワクワクする冒険小説、ドキドキするサスペンス小説、ときめく恋愛小説など、世の中には多くの小説が存在しますよね。 数ある小説の中から今回ご紹介するのは、笑って泣ける人情小説『大事なことほど小声でささやく... -
『かがみの孤城』感想|過去と現在のあなたを救う”大丈夫”になるための物語
あなたにとって学校とは、どんな場所でしたか? この問いに「楽しいことしかなかった」「みんなと仲が良かった」そう答えたのでしたら、あなたにこの本は必要ないのかもしれません。 私にとって学校は、楽しいと思えるものではありませんでした。 ニュース... -
『ストーリー・セラー』感想|有川浩が描く落涙不可避の人間ドラマ×奇病
ストーリー・セラーは致死性脳劣化症候群という「思考すればするほど寿命が減る」架空の病を患い思考することを禁じられた女性の小説家と、その夫の苦悩と恋愛を切実に描いた作品です。 そんな切なくて泣ける、ストーリー・セラーのあらすじと感想を紹介し... -
『孤島の鬼』感想|江戸川乱歩の考える愛とはなんだったのか
「まあ初恋といっていいのは、十五歳の時でした。(中略)それが実にプラトニックで、熱烈で、僕の一生の恋が、その同性に対してみんな使いつくされてしまったかの観があるのです。(後略)」 これは、日本の探偵小説の祖とされる江戸川乱歩の言葉です。 ... -
『ノルウェイの森』感想| 純粋な愛とその喪失の中に描かれたものとは
村上春樹の代表作でもあり、彼を世に知らしめるきっかけとなった作品が、今回紹介する 『ノルウェイの森』です。今作品では、「生と死」という根源的なテーマのもとに、大学生の恋愛が描かれています。 多くの人は、恋愛あるいは死によって大切な人を失う...