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『オルタネート』感想|高校生限定マッチングアプリを通して描く青春
ジャニーズ事務所所属、NEWSの加藤シゲアキさんの作品『オルタネート』。 現役アイドルである加藤シゲアキさんが書いた本書は、第164回直木三十五賞の候補作にも選ばれました。 高校生限定のマッチングアプリ「オルタネート」が必須となった現代での、高校... -
『まよなかのだいどころ』感想|眠れない夜に冒険に出よう
眠れない夜に絵本の中に冒険に出てみませんか? 寝付くことができない日、夜中に何が行われているかは、絵本を開いてのお楽しみ。 ページをめくらないと、続きがわからない、とても面白いお話です。 絵もとっても親しみやすくて、ついつい何回も読んでしま... -
『砂漠』感想|平凡な大学生が繰り広げる、小さな奇跡で溢れた青春物語
その気になればね、砂漠に雪を降らすことだって、余裕でできるんですよ。 今回紹介するのは伊坂幸太郎さんの隠れた名作『砂漠』です。 “伊坂幸太郎ファンなら必須の一冊”という謳い文句に誘われ読んでみたところ、キャラクターの面白さ、また軽い流れの中... -
『村上ラヂオ』感想|こんなラヂオがあったら毎日聴きたい
『ノルウェイの森』や『海辺のカフカ』など数々の名作を生み出し、日本国外でも評価が高い村上春樹さん。 村上春樹さんは、小説意外にも実はエッセイ本も多く出版されています。 今回ご紹介する『村上ラヂオ』は、肩肘張らずクスっと笑えるエピソードが散... -
『夏と花火と私の死体』感想|乙一が書く生々しく残酷な無邪気さを漂わせる
子どもとは、無邪気なばかりではないと知っている大人も多いでしょう。 時に近所の子どもを見て、時に自分の幼い頃を思い出して、子どもという生き物の残酷さを思い知ることがあるのではないでしょうか。 その無邪気さは些細なこともあれば事故に繋がりか... -
『孤宿の人』感想|宮部みゆきによる人間の罪深さ・あたたかさを描いた傑作長編
加賀様は鬼だ、悪霊だ。この丸海藩にあらゆる厄災を運んでくる。 今回紹介するのは宮部みゆきさんの時代小説『孤宿の人』です。 宮部みゆきさんと聞くとミステリー作家のイメージの方が強い人もいるかもしれません。 しかしミステリーとはまた違う人間の恐... -
『82年生まれ、キム・ジヨン』感想|ある女性の人生をなぞることで浮かび上がる数々の違和感と失望感
平凡な家庭に生まれ育ったある女性の半生が描かれた本書は韓国でベストセラーとなりました。 その反響は韓国国内だけにとどまらず世界中で共感を呼び、物議を醸し出しています。 読者は読み進める中で、人生の様々な面において「女性として生きていく」こ... -
『わたしが一番きれいだったとき』感想|戦中・戦後を生きた茨木のり子から今を生きるあなたへ贈るメッセージ
みなさん、一生のうちで一番輝かしかった年代とはいつ頃でしょうか? 10代?20代?30代?それとも40代? いいや、私の人生はずーっと輝いている!という人もいるでしょう。 この詩集は作者、茨木のり子さんが10代の頃の戦争体験を題材に、現代の若い女性で... -
『風が強く吹いている』感想|夢を諦めた人にこそ読んでほしい青春小説
箱根駅伝といえば、知らない人はいないであろうお正月の風物詩。 この物語はそんな箱根駅伝を目指す10人の大学生を描いています。 このように書くと、駅伝やスポーツに興味のない方にはとっつきにくいかもしれません。 しかし、この物語はそんな人にこそ、... -
『お探し物は図書室まで』感想|意外な選書で人生まで後押し!
ある小さな図書室のレファレンスカウンターから、この言葉が聞こえてきます。 「何をお探し?」 少し高圧的とも思える司書さんの言葉から、図書室に訪れた利用者とのやりとりが始まります。 この司書さんの愛想は決して良くありません。 ですが、利用者の...