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『風が強く吹いている』感想|夢を諦めた人にこそ読んでほしい青春小説

箱根駅伝といえば、知らない人はいないであろうお正月の風物詩。

この物語はそんな箱根駅伝を目指す10人の大学生を描いています。

このように書くと、駅伝やスポーツに興味のない方にはとっつきにくいかもしれません。

しかし、この物語はそんな人にこそ、特に、かつて「夢」を持っていた人にぜひ読んでいただきたい一冊です。

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『風が強く吹いている』の概要

出典:Amazon公式サイト

タイトル風が強く吹いている
著者三浦しをん
出版社新潮社
出版日2006年9月21日
ジャンル青春スポーツ小説

作者の三浦しをんさんは、2006年に『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞を受賞、2012年には『舟を編む』で本屋大賞を受賞するなど、数々のヒット作を生み出しています。

そんな三浦しをんさんによる今作『風が強く吹いている』は、ラジオドラマやコミカライズ、映画、アニメ、舞台などさまざまなメディアに展開されており、今なおファンを増やし続けている一冊です。

『風が強く吹いている』のあらすじ

この物語は、初心者だらけの10人の大学生が箱根駅伝を目指すという、スポーツ小説です。

「走る」とはどういうことなのか、駅伝を目指しながら、10人それぞれが自分に向きあうさまが描かれています。

10人目との出会い

寛政大学の4年生、清瀬灰二(きよせはいじ)は「最後の1人」を探していました。

なぜなら、大学生活も最後の1年となり、箱根駅伝を目指す最後のチャンスだったから。

そんな灰二の前に現れた万引き犯、蔵原走(くらはらかける)。

彼は寛政大学の1年生として入学する予定でしたが、下宿のために使うはずの仕送りを使い果たしてしまい、やむを得ず万引きをしたのでした。

彼の走る姿を見た灰二は、走こそが探し求めていた最後の1人であるということを確信し、自分の住む学生寮「竹青荘」に来るよう提案します。

個性豊かな仲間たち

走が案内された「竹青荘」、通称「アオタケ」には、既に灰二を含め9人の大学生が下宿していました。

  • 走と同級生の双子ジョータとジョージ
  • 交換留学生のムサ
  • 山育ちで温厚な神童
  • 漫画に囲まれて暮らす王子
  • クイズ大好きなキング
  • 司法試験に合格済みの秀才ユキ
  • ヘビースモーカーの浪人生ニコチャン

この個性的な住人たちの食事を作り、生活を管理していたのが灰二でした。

箱根駅伝への挑戦

走の歓迎会の日、灰二はこの寮が実は陸上部のものであることを暴露し、「この10人で箱根駅伝を目指す」と宣言します。

そんなことは一切知らなかった住人たちは猛反対。陸上経験者の走も、こんな寄せ集めのメンバーで箱根駅伝に出られるわけがない、と厳しい意見を発します。

しかし、そんな住人たちを灰二はさまざまな手段で説得し、彼らの箱根への挑戦が始まるのでした。

『風が強く吹いている』を読んだ感想

この物語は、箱根駅伝を目指す学生たちの青春小説、として楽しむこともできますが、他にもさまざまな見方ができ、何度読んでもそのたびに新たな発見があります。

そのいくつかのポイントをご紹介します。

箱根駅伝を目指すスポーツ小説としての楽しみ方

まずは王道の楽しみ方です。

初心者だらけの10人が、箱根駅伝という目標に向かってそれぞれ努力するというストーリーは、読んでいてとても胸が熱くなります。

もちろんさまざまな衝突や困難がありますが、それを乗り越えるたびに強くなる10人の絆。

そしてそんな絆の証でもある襷を繋いで走ることの尊さ。

そういったものを感じながら、爽快な気分で作品を味わうことができます。

この作品を読んでからは、実際の箱根駅伝を見るのもとても楽しくなりました。

夢を諦めた人たちの物語としての楽しみ方

私はこの楽しみ方が、実はこの本の最大の魅力なのではないかと思っています。

スポーツの小説、というと、能力に恵まれた主人公がライバルとしのぎを削りながら高みを目指していく、というのが王道のスタイルと思われる方も多いのではないでしょうか。

しかし、この作品に出てくる10人の中でそういった天才型は少数です。

中には、自分の能力の限界に既に気づいてしまっており、一度は走ることを諦めた人もいます。

自分も実際に今までいろいろな夢を持ち、しかし、それだけの能力が自分にはないことに気づき、そのいろいろを一つひとつ諦めて平凡な今の生活を送っています。

世の中の多くの人が、そうやって大人になっていくのではないでしょうか。

自分は特別な存在でないということを受け止め、夢を終わらせるための最後の頑張りを描いているという点に、この物語の良さがあると私は感じます。

本当の「強さ」とは何かを模索する楽しみ方

この物語の中には、以下のような会話がでてきます。

「長距離選手に対する、一番の褒め言葉がなにかわかるか」

「速い、ですか?」

「いいや。『強い』だよ」

この言葉の通り、この物語には、さまざまな『強さ』が描かれています。

運動嫌いだけれどメンバーの一員として共にありたいから必死で走る『強さ』、体調を崩し意識が朦朧とする中で自分の役割を果たそうとする『強さ』、自身の決めた結末に向かって突き進んでいく『強さ』……。

読むたびに登場人物一人ひとりの『強さ』を再発見することができます。

『風が強く吹いている』はどんな人におすすめ?

この物語は、次のような人におすすめです。

  • スポーツに打ち込んだ経験のある人
  • 今まで「夢」を諦めた経験のある人
  • 箱根駅伝が好きな人
  • 青春を描いた物語が好きな人
  • 男性キャラクターがたくさん出てくる物語が好きな人

もちろんスポーツ小説ですので、スポーツに興味がある人、特に箱根駅伝が好きな人は楽しんで読むことができると思います。

また、個性豊かな登場人物もこの作品の大きな魅力の一つなので、青春群像劇が好きな方にもおすすめです。

おわりに

これまでいろいろと触れた通り、1冊でさまざまな楽しみ方のできる、満足度の高いスポーツ小説です。

この作品を読んでから、実際の箱根駅伝ももっと楽しめるようになりました。

そしてなにより、何度読み返してもその度に違った見方ができる、深い作品です。

また、小説だけでなく、映画やアニメも完成度が高く、おすすめです。

小説が気に入ったらぜひ併せてご覧ください。

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