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『マナーはいらない 小説の書きかた講座』感想|気軽に楽しく学べる小説の基礎
小説を読んでいて、「こんな面白い話、どうやって考えつくんだろう」と思うことはありませんか。 あるいは、「趣味で小説を考えているけど、全然上達しない」と悩んでいる人もいるかもしれません。 今回紹介する『マナーはいらない 小説の書きかた講座』は... -
『ボッコちゃん』感想|50話収録!星新一の世界にどっぷり浸かれる短編集
今なお多くのファンから愛される作家、星新一。 『ショートショートの神様』と呼ばれ、多くの作品を世に残していきました。 時代を超えて愛される作家、星新一の作品『ボッコちゃん』を今回ご紹介したいと思います。 タイトルのボッコちゃんをはじめ、50も... -
『劇場』感想|芥川賞作家の芸人が贈る、あまりに切なく苦しい恋愛小説
一番会いたい人に会いに行く。こんな当たり前のことが、なんでできひんかったんやろな。 この本の代名詞と言える、主人公の台詞です。 本の帯でも、実写映画でも、この台詞は大々的に表に出されています。 この台詞に込められた胸が張り裂けそうな切なさは... -
『アリーテ姫の冒険』感想|待っているだけのお姫様なんて物足りない!
お姫様がただ待っているだけなんて、つまらないと思いませんか? 毒リンゴを食べさせられたり、数百年の眠りの呪いをかけられたりするお姫様たちは、最後は必ず王子様の手で助けられてハッピーエンドです。 ちょっと待って、どうしてお姫様は自分で運命を... -
『日本名婦伝』感想|歴史の陰でほのかに輝く女性たち
吉川英治と言えば、没後50年以上経つにもかかわらず『三国志』『宮本武蔵』の作者として名高く、これらの長編は今でも読み継がれています。 しかし、短編はといえばどうでしょう。 残念ながら、長編と比べたらあまり手に取る機会が少なくなっているのでは... -
『神さまの貨物』感想|残虐な戦争に決して屈しない人を愛するという希望
本の表紙に描かれた、線路の前にたたずむ女性。 神さまからの貨物と聞いて何を思い浮かべるでしょうか? この小説は簡単なことばと、文章で書かれています。 可愛らしい装丁は思わず手に取ってみたくなる一冊ではないでしょうか。 そこには作者の、子供か... -
『レベッカ』感想|死後も生き続ける驕慢な美女 イギリスの極上サスペンス
生きている人間より存在感のある死者。 そんなゾンビのような死者はいないと思いますか? その死者はとても美しく才能があって、あらゆる人を惹きつける女性だったと聞いたらどうでしょう。 彼女のことを知りたくなりませんか。 何色が似合ったか。 どんな... -
『新世界より』感想|細部まで作りこまれた圧巻のSFストーリー
映画化されたホラー『黒い家』や『悪の教典』、嵐の大野智さんがドラマの主演を務めたことで話題になったミステリー『鍵のかかった部屋』など、様々なジャンルの小説でベストセラーとなっている「貴志祐介」さん。 そんな貴志祐介さんが手がけた本格SF小説... -
『表札など』感想|女性らしい感性で紡がれた力強い言葉
第19回H氏賞を受賞した本作。 著者は4歳の時に母と死別し、以後18歳までに3人の義母を持つという数奇な人生を送りました。 また3人の妹と2人の弟を持つも、死別や離別を経験しながら家庭を支え続けました。 こう聞くと暗く重たい印象を持つかもしれません... -
『どこかでベートーヴェン』感想|青春の中で生まれる音楽ミステリー
誰かの才能を疎ましく感じたり、妬んだりした経験はありますか。 この物語の主人公は、音楽を志す高校生たち。 好きなことを生業にすることの厳しさや、他人の才能と比較してしまうことへの苦悩などを丁寧に描いています。 難聴と闘ったベートーヴェンの旋...