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『日本名婦伝』感想|歴史の陰でほのかに輝く女性たち

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吉川英治と言えば、没後50年以上経つにもかかわらず『三国志』『宮本武蔵』の作者として名高く、これらの長編は今でも読み継がれています。

しかし、短編はといえばどうでしょう。

残念ながら、長編と比べたらあまり手に取る機会が少なくなっているのではないでしょうか。

そんな吉川が歴史上の女性たちを魅力的に描いた短編集が復刊されたので、ご紹介します。

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『日本名婦伝』の概要

出典:Amazon公式サイト

タイトル日本名婦伝
著者吉川英治
出版社オリオンブックス
出版日2014年12月1日
ジャンル日本歴史小説

吉川英治は比較的裕福な家に生まれましたが、少年時代に父が事業に失敗し、以後は貧困にあえぎながら苦学して教養を身に着け、昭和初期に専業作家になりました。

文藝春秋の創始者・菊池寛の知己を得たこともあり、吉川はまたたく間に歴史大衆小説の流行作家に上りつめます。

この『日本名婦伝』は1942年、太平洋戦争前後に雑誌などに掲載された、女性がテーマの短編を収録して出版されました。

『日本名婦伝』のあらすじ

この短編集には8編の短編が収録されています。

源義経の妻・静御前と戦国時代のキリシタン・細川ガラシャ、豊臣秀吉の妻・寧子の他は、歴史に埋もれかけた女性たちがモチーフにされています。

大楠公夫人

鎌倉幕府滅亡後の南北朝時代。

北朝の武士・漆間蔵六(うるしまぞうろく)は、息子の小四郎が南朝へ投降したと知り、場合によっては息子を殺して自分の潔白を示すために南朝の大将・楠木正行(くすのきまさつら)の軍に潜り込みます。

そこで蔵六が見たのは、正行の父・楠木正成(くすのきまさしげ)の未亡人久子(ひさこ)の、武士の妻としての強さと潔さでした。

涙も見せずに息子たちを死出の出征へと送り出す久子を見て、蔵六の心に変化が生まれます。

太閤夫人

尾張のごく普通の足軽の家で育った寧子(ねね)は、猿と呼ばれて見くびられている足軽頭・木下藤吉郎の母を思う気持ちに打たれ、嫁入りを決めました。

夫が木下藤吉郎から羽柴秀吉、豊臣秀吉と名前を変えて出世するたびに、妻の寧子は己の能力を超えた武将の妻としての振る舞いを求められます。

また、秀吉と寧子の間には子が生まれません。

その上、出世のたびに秀吉の女遊びは激しくなり、側室の淀君は寧子に対抗心を燃やしてきます。

しかし寧子は歳を取るにつれて確かな立場と落ち着きを得て、秀吉の母・大政所(おおまんどころ)の介護をしつつ夫の行いを見守るのでした。

谷干城夫人

谷干城(たにたてき)は明治10年の西南戦争にあたって熊本城に籠城し、西郷隆盛軍を討つための官軍の到着を待つ任務を与えられました。

兵たちとともに籠城した干城の妻・玖満子(くまこ)と将校の妻たちは、食事を作ったりけが人の看護をしたりなど、甲斐甲斐しく内助の功を発揮します。

籠城戦は長引き、熊本城からは日に日に食糧がなくなってきますが、玖満子たちは芽吹いた青菜を積んだり兵糧庫に落ちていた米や雑穀を拾い上げたりと、なんとか兵たちの士気を保つための努力を続けました。

果たして完全に兵糧が尽きるまでに官軍の到着は間に合うのでしょうか。

小野寺十内の妻

江戸時代中期、赤穂藩浅野家に仕えていた小野寺十内(おのでらじゅうない)の妻・丹女(たんじょ)は、慎ましくも穏やかな日々を過ごしていました。

しかし、十内の主君・浅野長矩(あさのながのり)が江戸城内で吉良義央(きらよしなか)を襲うという事件が発生してから、丹女たちの立場は一変します。

主君のいない浪人生活に陥っても、丹女たちの穏やかな生活は変わりません。

十内と浅野家の忠臣たちが吉良への仇討ちを計画していることをうっすらと感じ取り、丹女はますます一日一日の生活を大事にしました。

やがて時は満ち、仇討ちのために江戸へ向かう十内を、丹女は万感の思いで送り出します。

細川ガラシャ夫人

戦国時代、明智光秀の娘・ガラシャ細川忠興(ほそかわただおき)に嫁ぎ、日々の生活に感謝を送っていました。

しかし父が主君の織田信長を本能寺の変で討ち、謀反人の娘となったガラシャは妻の命を守りたいと願う忠興の手で山奥の寺に軟禁されます。

寺の近くの村では『謀反人の娘』として偏見に満ちた目で見られ、時には石すら投げられます。

2年後、無事忠興のもとに戻れたガラシャでしたが、父の謀反とその後の厳しい生活がトラウマとなり、その傷を癒やすために当時流行していたキリスト教にすがるようになりました。

こっそり教会に通うガラシャを見咎めた忠興は信仰を捨てることを強要しますが、ガラシャはなかなか折れません。

結局、忠興の見ていないところでのみ信仰活動をすることが許されます。

やがて関ヶ原の戦いが起こり、ガラシャのいる細川家に石田三成からの使者が訪れ、あることを伝えます。

静御前

源平合戦後、源義経は兄・源頼朝を敵に回してしまいますが、それでも兄を慕っています。

そんな義経につき従う妻・静御前は、義経の心を理解していますが、頼朝も世間もなかなかそうは見てくれません。

鎌倉から京へ義経を捕縛する軍勢が押し寄せました。

義経は兄と戦う気はないのですが、身を守るために抵抗します。

結局敗走してしまった義経は高野山に静御前とその母を置いて落ちのびました。

高野山から鎌倉へ引っ立てられた静御前は義経の行方を知りたがる頼朝の家来から厳しい尋問を受けますが、そのさなかに男子を出産します。

そんな中、頼朝とその妻・政子の前で舞を舞うことになった静御前は、ある決意を固めました。

田崎早雲の妻

江戸時代後期、草莽の志を持ちつつ絵師として独立しようとしていた田崎草雲(たざきそううん)ですが、絵はなかなか売れず、満足に妻・お菊と息子・格太郎を養うことができません。

凧に絵を入れるなどでなんとか生計を立てていた草雲に、久しぶりのまともな仕事が舞い込みます。

秋の七草の絵を依頼され、熱心に構図を考えて描き、もうすぐ完成というところで、なんとお菊は絵を黒く塗りつぶしてしまいました。

結局お菊はそのまま発狂して死んでしまいます。

江戸に格太郎を置いて故郷・足利(あしかが)に帰った早雲は、絵よりも尊王の志を説くことに夢中になります。

そんな草雲のもとに、江戸から便りが届きました。

山陽の母

江戸時代後期、京都で『日本外史』を執筆している思想家の頼山陽(らいさんよう)は、故郷・広島で暮らす母、梅颸(ばいし)を呼び寄せて迎えました。

頭に象牙を飾った立派な杖をついていた梅颸でしたが、スリにその杖を盗まれかけてしまいます。

しかし、梅颸はそのスリの手首を掴んで銀貨を握らせました。

京都の文人たちと交流したり、芝居を見たりする梅颸を見て、若い頃に出奔して家を捨てた山陽は、まだまだ親孝行が足りないと反省します。

そんな山陽は、大坂町奉行の大塩平八郎に呼び出されます。

官僚的な雰囲気の者を好いていなかった山陽ですが、大塩のいい噂は聞いていたので、会うことにしました。

大塩は梅颸の持つ杖に興味を抱き、ぜひ実物を見てみたいと言ってきます。

山陽はその言葉に従って杖を持参しますが……。

『日本名婦伝』を読んだ感想

戦前・戦中の家父長制全盛時代に書かれた作品なので、よりフェミニズムが浸透した現代から見れば、女性たちの生き様に物申したくなる読者もいるかもしれません。

しかし、その時代時代において、役割を与えられて必死に生きていた女性たちの姿には、今でも胸打たれるものがあります。

与えられた環境を生き抜く女性たち

例えば谷干城の妻・玖満子は、総大将の妻として熊本城内の女性たちをまとめ、内助の功を発揮して不利な籠城戦を強いられている兵たちを鼓舞します。

食糧が尽きてくると、兵糧庫にこぼれた米や雑穀を拾い上げて餅を作り、振る舞いました。

満足な食事も摂れていなかった兵たちは士気を上げ、援軍を待つ気力を湧かせます

また細川ガラシャは、夫と敵対する石田三成から人質に取られそうになったのを自害して拒み、結果的に他の大名の妻女たちを卑劣な企みから守りました

このような女性たちの生き様に吉川は感銘し小説に書いて残そうとしたのだと思われます。その志は、確かに今の私たちにも伝わります。

当時の歴史観を垣間見られる

これらの作品が描かれた当時は太平洋戦争まっただ中、天皇が現人神として大日本帝国に君臨し、不敬罪という罪状が現役で存在していた時代です。

天皇が二人存在した南北朝時代の中では南朝が正統とされ、南朝に仕えた者が忠臣と見なされて、その代表格・楠木正成を知らない日本人はいませんでした。

今でも正成の銅像が皇居・二重橋に残ってはいますが、かつてほどの知名度はありません。

また、今では運命に翻弄された悲運の女性と位置づけられている淀君(淀殿)は、ここではエゴをむき出しにした高慢な女性に描かれています。

そんな歴史解釈の移り変わりを、私たちは吉川の小説から読み取れます。

純文学は不朽、大衆小説は流行でしかないと言う人もいますが、逆に流行的な大衆小説だからこそ、描かれた時代の生々しい感覚を読み取ることができるのです。

なんといっても読みやすい!

思春期に苦労をして教養を身につけた吉川は、新聞や雑誌に小説を掲載する時に、極力難しい言葉は使わず、それでいて流麗な表現をするよう心がけていました。

同時代の純文学・大衆小説の文豪と言われる作家の中でも、その読みやすさ、イメージのしやすさはずばぬけています。

そんな理由もあり、当時の大衆向け流行作家のほとんどが歴史の中に埋もれてしまっても、吉川は読み継がれているのです。

『日本名婦伝』はどんな人におすすめ?

『日本名婦伝』は、このような方におすすめです。

  • 歴史上の女性から生きる気力をもらいたい人
  • 歴史の陰に隠れた人間模様を読み取りたい人
  • 難しい言葉で書かれた文学が苦手な人

8編の短編には、さまざまな時代の女性たちの献身が描かれています。

必死に生きた結果、報われて幸福な一生を終えた女性もいれば、子を奪われて失意に沈んだ女性もいます。

読者はそれぞれ事情の違う女性たちの中に、一人は共感できる女性を見いだせることでしょう。

悩みを抱えているのは自分だけではない、かつて歴史上に自分と同じような苦しみを持っていた女性がいた、という事実に勇気づけられるはずです。

また、赤穂浪士の小野寺十内のような、あまり世に知られていない人物を掘り下げているところも、歴史好きにはたまらなりません。

知らないことを知りたい、より学びを得たい人にもおすすめできます。

美文調ではあっても平易な言葉を用いて書かれた文章は、文豪の小説を敬遠している人でもハードルを下げて読めます。

漢文から取られたような言葉を連発する文豪に苦手意識がある人にこそ読んでもらいたい小説です。

おわりに|『日本名婦伝』は歴史小説の入り口にぴったり!

1編1編が読みやすく、わかりやすい吉川の小説は、初めて歴史小説を読む人のファースト・コンタクトにちょうどいいでしょう。

もちろん小説なので多少の誇張や潤色はありますが、歴史上の人物がどんなことを考えて生きていたのかという思考に触れることができます。

吉川の小説のほぼすべてが、講談社から出版されている『吉川英治歴史時代文庫』で読むことができますし、有志が青空文庫にアップしている作品も多くあります。

まだまだ巣ごもりが強いられるこの頃ですが、これを機会に吉川英治の描く時代に触れてみてはいかがでしょうか。

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