子どもの頃読んだ絵本の中で、大人になってからも思い出す一冊はありますか?
この絵本は、福音館書店の月刊絵本『こどものとも』に掲載されていたお話です。
クリスマス・イブの夜が舞台の、主人公「みふで」の不思議な冒険ファンタジー物語に加え、片山健さんの幻想的かつダイナミックで迫力のある絵が、より一層この物語を印象深い一冊にさせていると思います。
クリスマスの華やかなイメージのお話とは一味違ったこの絵本、ぜひ、親子で一緒に読んで頂きたい一冊です。
著:筒井 頼子, イラスト:健, 片山
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『ながれぼしをひろいに』の概要
出典:Amazon公式サイト
タイトル | ながれぼしをひろいに |
著者 | 筒井頼子 |
出版社 | 福音館書店 |
出版日 | 1987年12月1日 |
ジャンル | 冒険ファンタジー絵本 |
最初に出した絵本『はじめてのおつかい』がロングセラーとなった筒井頼子さんと、『きつねにょうぼう』や『タンゲくん』、『なっちゃんのなつ』など、いくつもの作品で受賞歴がある片山健さんが、タッグを組んだ絵本です。
クリスマス・イブの夜に一人の女の子が冒険をする、ハラハラドキドキのストーリーでありながら、とても温かく、優しさに溢れた作品となっています。
『ながれぼしをひろいに』のあらすじ
クリスマス・イブの夜、みふでは眠い目をこすりながら、サンタさんを待ちわびていました。
そんな時、窓の向こうに大きな赤いながれぼしが、すいどうやまに落ちていくのが見えました!
「—そうだ! すいどうやまに、あのながれぼしを ひろいに いこう」
「ながれぼしをひろいに」
本文より
さぁ、冒険の始まりです。
みふではパジャマの上から急いで上着をはおり、こっそりと家を出たのでした。
こねこちゃんとの出会い
誰もいない、しんとした夜の雪道を歩いていた時、「ミーウ」と小さなこねこがすり寄ってきます。
こねこちゃんとの出会いです。
みふではこねこちゃんに、一緒にくるか確認をします。
こねこちゃんの「ミーウ」を鳴き声を、OKのお返事と取り、コートのポケットにこねこちゃんを入れ、一緒にながれぼし探しの冒険を続けます。
雪だるま、風・・そしてこわ~いカラスとの出会い
冒険を続けていると、今度は雪だるまがみふでに話しかけてきました。
そして雪だるまが落としてしまった片目を拾ってあげるみふで。
雪だるまとお別れした後は、風や粉雪との出会いもありますよ。
みんな不思議なことに、みふでとお話ができるんです。
これは現実なのか、幻なのか、不思議な出会いは続きます。
すいどうやまについてからは、こわ~いカラスがみふでの前に立ちふさがります!
みふでは無事に、ながれぼしを見つけることができるのでしょうか?
すいどうやまへのてっぺんへ、ついに到着!!
やっとたどり着いた、すいどうやまのてっぺん。
そこでみふでは、激しく踊りくるうたつまきの向こうにあかいものを発見します。
「ながれぼしだ!みつけた!」
「ながれぼしをひろいに」
本文より
かけよろうとしたみふでですが、そのあかいものは、動き出し・・
『ながれぼしをひろいに』を読んだ感想
この絵本に出会ったのは、私が幼稚園に通っていた頃でした。
現在の我が子と同じ年頃の頃です。
幻想的で、力強くて、温かいこの絵の魅力と、どんどん引き込まれていくストーリーに、大人になった今も読み返したい時があって、実家から持ち出してきた一冊。
あくまでも個人的な見解ではありますが、私の感想がどなたかの参考になれば、幸いです。
絵の魅力に引き込まれる
絵本の作画担当、片山健さんの絵は、独創的で力強くインパクトのある独特な作風のイメージがありました。
しかし、本作「ながれぼしをひろいに」のタッチは、素朴で柔らかく、雪の重みやかぜの冷たさを感じながら、圧巻の迫力となっているカラスの描写・・!と、一冊にして幅広いタッチを感じます。
そして温かく、幻想的で、クリスマス・イブの冒険物語を、より印象深いものにさせてくれます。
サンタさんへプレゼントをあげたい、みふでの優しさに心温まる
サンタさんと言えば、一般的なイメージは子どもたちにプレゼントをくれる方。
でもこの物語では、主人公のみふでは、サンタさんへプレゼントをあげたいと考えました。
寒い冬の夜に、眠い目をこすり、ひとりでこっそり家を出て、一夜にして様々な体験を乗り越えながらも、目的のあかいながれぼしを探すのです。
このみふでの優しさ、そして困難にも立ち向かう強さに、心温まり、心打たれます。
ながれぼしの正体は・・・?
お話の最後には、ながれぼしの正体がついにわかります。
みふでがイブの夜、大冒険をした先に見つけたものとは・・?
そして、みふでは無事に、サンタさんにプレゼントを渡すことができたのでしょうか。
感動的で、優しくて、そして更なるラストを読んでほっこりと温かい気持ちになれる、みふでの夜の大冒険の結末を、ぜひお子さんと一緒に、ご覧ください。
『ながれぼしをひろいに』はどんな人におすすめ?
『ながれぼしをひろいに』は、このような方におすすめです。
- 冒険のお話が好きな方
- 子どもと一緒に大人も楽しめる一冊を探している方
- ファンタジーが好きな方
- クリスマスの物語が好きな方
子供向けの絵本でありながら、大人も少し長めの童話を読んでいるかような気持ちにさせてくれるこの絵本。
冒険が好きでドキドキ、ワクワクしたい方、ファンタジーの世界へ行きたい方、冬の物語や、クリスマスの物語が好きな方、大人も子どもも、この一冊を読んだ後、不思議で温かい気持ちになって頂けるのではないでしょうか。
おわりに|イブの夜の大冒険は不思議がいっぱい詰まった心温まるストーリー
みふでのクリスマス・イブの夜の冒険物語。
子どもにとってもワクワクドキドキの一冊になってくれると思いますが、大人が読んでも読み応えのある一冊だと思います。
冒険の途中でみふでが出会う、個性豊かなキャラクターたちも、優しくて、不思議で、時にちょっぴり怖くて、魅力いっぱいです。
これは果たして、夢物語なのか、現実なのか。
そしてサンタさんには出会えるのでしょうか・・?
クリスマスシーズンが到来するこれからの時期にぴったりの一冊です。
この冬、ぜひ親子で、みふでと一緒に冒険の世界へ旅立って下さいね。
著:筒井 頼子, イラスト:健, 片山
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