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『バベル九朔』感想|自伝的要素とファンタジー要素がつながった不思議なストーリー

『バベル九朔』は、Sexy Zoneの菊池風磨さん主演でドラマ化もされたファンタジー小説です。

作者である万城目学さんのデビュー10周年作品でもあります。

万城目学さんは「万城目ワールド」と呼ばれる奇想天外な作風で知られていますが、その中でも『バベル九朔』はひときわ異彩を放つ、つかみどころのない不思議なストーリー。

5階建ての雑居ビル「バベル九朔」の管理人を務めながら作家を目指している主人公の前に、ある日、全身黒ずくめの謎の「カラス女」が現れたところから、話は大きく展開します。

今回は「バベル九朔」という名の雑居ビルを舞台とした不思議な物語『バベル九朔』についてご紹介していきます。

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『バベル九朔』の概要

出典:Amazon公式サイト

タイトルバベル九朔
著者万城目学
出版社角川文庫
出版日2019年2月23日
ジャンルファンタジー

小説家志望の主人公が、管理人をしている5階建ての古い雑居ビル「バベル九朔」。

執筆に関する話、ビルの管理人としての仕事、テナントの人達との日常のやり取りなどからストーリーは始まります。

ある日、全身黒ずくめの謎の「カラス女」が現れたところから、話を大きく展開します。

カラス女に追われ、主人公がビルのテナントに飾ってあった亡き祖父が描いた絵に触れた途端、はるか上へと続く階段と見知らぬテナントが入居している、現実とは別世界の「バベル九朔」に飛ばされてしまったのでした。

そこには亡くなったはずの祖父がいました。

突如現れた黒い服の女の子は何者なのか?

カラス女は敵か味方か?

バベルに関する多くの謎が次第に解き明かされていく、予測不能のファンタジー冒険譚です。

『バベル九朔』のあらすじ

主人公は小説家になることを夢見ながら、5階建ての雑居ビル「バベル九朔」の管理人をしています。

しかしながら応募する原稿は、一次選考で落ちる日々。

ビルの管理業務や「ミッキー」と呼ばれる巨大ネズミの出没、空き巣事件発生などで慌ただしい毎日の中、主人公はついに納得できる長編小説を書き上げます。

後はタイトルを決めるだけとなった時、突然謎のカラス女が現れ、「扉は、どこ?」と扉の在りかを問いかけてきます。

それをきっかけに主人公は「バベル」に隠された壮大な秘密を解き明かすことになるのでした。

日常

主人公・九朔満大は大手ハウスメーカーに勤めていましたが、ある日突然作家を志すために退職します。

今は亡き祖父の満男が38年前に建てた商業ビル「バベル九朔」の5階で、オーナーの一人息子として、ビルの管理業務を務めながら、新人賞を目指して小説を書く日々。

地下1階にスナック、1階に中古レコード店、2階に居酒屋、3階に絵画ギャラリー、4階に探偵事務所と、各階にはテナントが入っています。

管理人としてのルーティンワーク、巨大ネズミの出没、空き巣事件の発生などの雑務に追われる中、主人公は3年間をかけた大長編を完成させます。

絵の中へ

バベル九朔に38年間居座り続けていた、3階のギャラリー経営者・密村が家業を継ぐために賃貸契約を解除することになりました。

主人公が密村にお別れの挨拶に行った際に、祖父の意外な言葉と祖父が描いたよく分からない抽象画の存在を知ることになります。

ある日、突然ビルの屋上に現れた全身真っ黒なカラス女が、バベルへの扉の在りかを質問してきます。

カラス女から逃げ出した主人公がギャラリー蜜村に逃げ込んだところ、祖父の絵にはっきりと扉が浮かび上がっていました。

絵に触れた途端、意識を失う主人公。

目を覚ました時には、現実とは異なる世界の「バベル九朔」の一室にいたのでした。

このビルには真っ黒なワンピースを身にまとった10歳くらいの女の子がいました。

彼女は現実の世界では65歳を迎えているはずの主人公の伯母でした。

絵の中では何時までも年を取ることはないのです。

終結

上へ延々と続くバベルの階段を上っていく主人公。

各階に、バベルへ入居しながら潰れてしまった数々のテナントを発見します。

過去の記憶を積み上げることで、祖父はこのバベルを築きました。

バベルの中で夢破れた者たちの挫折感を源としながら、バベルはこれまで成長を続けてきたのです。

しかし、源の供給がなくなった今、バベルの崩壊が近付いていました。

カラス女の目的はバベルが崩壊し、溜まった澱みがあふれだす前にバベルの管理人である祖父を排除し、バベルを清算することだったのです。

祖父の目的はバベルを存続させるために、主人公を絵の中にいつまでも留めておくこと。

カラス女は祖父の排除に成功します。

バベルの中では願いを言葉にすれば、どんなことでも実現させることができます。

「戻る」といって元の世界へ戻りバベルを清算させるか、「ここにいる」といって絵の中のバベルで管理人として生きていくのか?

究極の選択を突き付けられた主人公は「ここにいる」ことを決め、バベルの新しい管理人になるのでした。

『バベル九朔』を読んだ感想

独特な世界観は万城目学さんらしさを感じながらも、初期の『鴨川ホルモー』や『鹿男あおによし』のように分かりやすい娯楽エンターテイメント小説的な作風とは一線を画しています。

異世界の「バベル九朔」の世界を成立させるキーワードは「夢」と「無駄」。

やや複雑で考えさせられる箇所も多いのですが、再読することで理解が深まる、そんな作品です。

作者の自伝的要素が興味深い

万城目学さんは、実際に作家になれる保証もない内に会社を辞め、デビューするまで親戚の雑居ビルに住みながら小説を書いていました。

そうした作家の実体験を基に書かれているので、ビルの管理人業務の描写などにとてもリアリティを感じられます。

カラスやネズミへの対応、テナント入居者とのやり取りなど、自然に楽しく読むことができました。

つかめそうでつかめないストーリー

現実世界の「バベル九朔」での話は、読んでいてするっと頭に入ってきますが、絵の中に入ってからのストーリーはつかみどころがなく、想像力が必要とされます。

誰の言葉を信じれば良いのか?

誰が味方なのか?

登場人物たちの目的は何なのか?

少し読み進むごとに、立ち止まって考えなくてはなりません。

複雑で不思議な世界ですが、再読すると多くの要素が結びついたり、伏線が回収されていたりしていることが分かります。

万城目さんが得意とするファンタジーではあるものの、デビュー10周年を機に少し挑戦をしたイメージを受ける小説となっています。

クスッと笑える表現がたくさん

ところどころに万城目学さんらしいユーモアある表現がちりばめられていて、緊張感あるシーンでも思わずクスッと笑ってしまいます。

特に、延々と続く階段の合間に現れるビルのテナント名は、万城目さんらしさが出ていて面白いです。

こんな潰れそうな店の名前をたくさん思いつくなんてさすが、と思ってしまいます。

主人公は少しひねくれつつも、ピュアで理性的で憎めないキャラなのが好感を持てます。

『バベル九朔』はどんな人におすすめ?

『バベル九朔』は、多くの人が楽しめる作品だと思いますが、特に以下のような人におすすめしたい小説です。

  • 不思議な世界観に浸りたい人
  • 作家という仕事に興味がある人
  • 万城目学さんファンの人

文章は簡潔で分かりやすいのですが、「実を結ばない夢=無駄」をテーマにしていて、2つの世界が同時に存在しているため、ストーリーは少し難解です。

つかみどころのない不思議な世界観が本書の魅力であり、過去のような娯楽エンターテイメント作品とは一線を画し、デビュー10周年での新ステージの到来を感じさせる1作となっています。

また、雑居ビルの一室で小説を書いては新人賞落選を繰り返す姿は、万城目さんの経歴と重なり、万城目ファンにはとても興味深いストーリーとなっています。

おわりに|万城目学さんの新たなチャレンジを感じる作品

万城目学さんの初期作品と比べると明瞭な結末ではないので、評価は分かれるかもしれません。

絵の中に引きずりこまれてからは、敵と味方が入れ替わり、幻想がおり込まれ、何か本当に延々と階段を上っていくような錯覚にとらわれてしまいます。

そもそも主人公が取り込まれた世界は一体何なのか?

バベルの秘密を知りたくて一気に読んでしまうこと請け合いです。

不思議な世界観をもった『バベル九朔』は、ぜひたくさんの人の手に取ってもらいたい作品です。

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