国内小説– category –
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『いちご同盟』感想|命の儚さと尊さを描いた青春小説
どこからともかくピアノの調べが聞こえてきそうな繊細で透明感のある物語、いちご同盟。15歳の主人公が、1人の少女との出会いを通じて命の儚さと尊さを知る青春小説です。 タイトルに「いちご」が入っていますが、物語に苺(いちご)は出てきません。 良一... -
『少年と犬』の感想|傷ついた人間に静かに寄り添ってくれる最良のパートナー
「人の心を理解し、人に寄り添ってくれる。こんな動物は他にはいない」 これはある登場人物の言葉ですが、この物語がどのようなものかを表すにはこれほど適切な言葉はないでしょう。 愛犬家としても知られる作者、馳星周さん。1996年に『不夜城』にてデビ... -
『冒険者たち』感想|勇気、友情、切ない恋、小さなねずみ達の冒険活劇
今回ご紹介する『冒険者たち~ガンバと十五ひきの仲間』は1975年にアニメ化され、その後も長年にわたり複数のアニメ映画が製作され続けている児童文学です。 他にも劇団四季によってミュージカル化されるなど、約半世紀にわたり愛されてきました。 しかし... -
『コンビニ人間』感想|自分を貫くことの難しさ、そしてその尊さを教えてくれる
第155回芥川賞を受賞した『コンビニ人間』は、2016年7月末に単行本として刊行されてから、爆発的な売り上げをみせた大ヒット小説であり、多くの読者に衝撃を与えた作品です。 物語の舞台は、今や私たちの生活に必要不可欠となったコンビニエンスストアです... -
『ツバキ文具店』感想|小川糸が綴る代書屋をとりまく人々の思念
人のあたたかさ、つめたさ。 ふとそういったものに触れたくなることはありませんか? 小川糸さんが綴る鎌倉での物語『ツバキ文具店』はそんな些細な心の穴を埋めてくれます。 人々の想いを受け取り代わりに届けることを仕事とする主人公、そんな主人公と友... -
『十二国記』感想|『月の影 影の海』から読む〝生きる〟強さ
「十二国記シリーズ」は異界にある十二国での出来事について記した小野不由美先生によるファンタジー小説です。 記念すべき第一作である『月の影 影の海』は、至って平凡な日常を送っていた女子高生・陽子(ようこ)がケイキと名乗る謎の男に異界《十二国... -
『ナイルパーチの女子会』感想|女子のリアルはここにあり
皆さんは女子会と聞くと、どのようなイメージを思い浮かべますか? 同性しかないから、気楽♪異性がいないから物足りない?同性同士でしか話せないことをたくさん話したい!正直、同性は苦手…群れるのも苦手…必ず、何人かはマウントを取ってくるからイヤ! ... -
『株式会社ネバーラ北関東支社』感想|都会から離れたゆったりした生活を送りたくなる
2007年に『うさぎパン』でデビューをした作家の瀧羽麻子さん。 いつも心温まるかわいらしいお話を描かれている作家さんです。 そんな瀧羽さんが「東京でめまぐるしい毎日を送っていた女性がのどかな田舎でゆったり仕事をしながら暮らして、癒されていく」... -
『ピンクとグレー』感想|加藤シゲアキさんのデビュー作【ジャニーズ初の作家】
「ジャニーズから初の作家が出る!」ということで話題になったNEWSの加藤シゲアキさんの作家デビュー。 デビュー作として描かれた『ピンクとグレー』は想像以上の大ヒットを記録し、映画化までされましたよね。 加藤さん自身が「アイドルとしての自分」では... -
『赤朽葉家の伝説』感想|これは現代日本に突き付けられた予言書?
『赤朽葉の伝説』は「私の男」「GOSICKシリーズ」などで根強いファンの多い作家、桜庭一樹先生の初期の代表作です。 ようこそ、ビューティフルワールドへ。 文庫版の表紙のそでの一文から始まる、けったいな長編小説、千里眼の祖母、漫画家の母、何者でも...