国内小説– category –
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『ナミヤ雑貨店の奇蹟』感想|ミステリーの巨匠が「奇蹟」を紡ぐ
言わずと知れたミステリー作家・東野圭吾。 数々の秀逸なミステリーを世に送り出していますが、彼の作品はミステリーだけではないのをご存知でしょうか? 「ナミヤ雑貨店の奇蹟」はミステリーとは角度が違った、読者の涙を誘う感動的な物語です。 もちろん... -
『劇場』感想|芥川賞作家の芸人が贈る、あまりに切なく苦しい恋愛小説
一番会いたい人に会いに行く。こんな当たり前のことが、なんでできひんかったんやろな。 この本の代名詞と言える、主人公の台詞です。 本の帯でも、実写映画でも、この台詞は大々的に表に出されています。 この台詞に込められた胸が張り裂けそうな切なさは... -
『日本名婦伝』感想|歴史の陰でほのかに輝く女性たち
吉川英治と言えば、没後50年以上経つにもかかわらず『三国志』『宮本武蔵』の作者として名高く、これらの長編は今でも読み継がれています。 しかし、短編はといえばどうでしょう。 残念ながら、長編と比べたらあまり手に取る機会が少なくなっているのでは... -
『新世界より』感想|細部まで作りこまれた圧巻のSFストーリー
映画化されたホラー『黒い家』や『悪の教典』、嵐の大野智さんがドラマの主演を務めたことで話題になったミステリー『鍵のかかった部屋』など、様々なジャンルの小説でベストセラーとなっている「貴志祐介」さん。 そんな貴志祐介さんが手がけた本格SF小説... -
『どこかでベートーヴェン』感想|青春の中で生まれる音楽ミステリー
誰かの才能を疎ましく感じたり、妬んだりした経験はありますか。 この物語の主人公は、音楽を志す高校生たち。 好きなことを生業にすることの厳しさや、他人の才能と比較してしまうことへの苦悩などを丁寧に描いています。 難聴と闘ったベートーヴェンの旋... -
『AX』感想|天才殺し屋が守るものは「家族」だった。
「カップラーメンなんかを食べるわけがない」 天才の殺し屋は「恐妻家」でした。 日中は文房具店で働いているが、実は天才的な「殺し屋」。 そんな殺し屋兜は、家族を持ったことによって「殺し屋」ということに罪悪感を抱き始めます。 しかし、辞めれば家... -
『本日は、お日柄もよく』感想|あなたの心を動かす言葉たち
「本日は、お日柄もよく」。 結婚披露宴などのお祝いの場で、耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。 こういった言葉を巧みに操り、相手の心に響く文章を書く「スピーチライター」が、この作品の主人公です。 言葉の持つ力は、使い方によって、... -
『ちょっと変わった守護天使』感想|三十路女性に贈る、年下草食系男子とのほんわか恋愛物語
自分を助けてくれる、あるいは守ってくれる天使。 それは必ずしも羽が生えて頭に輪っかが付いているわけではありません。 老いた男性かもしれませんし、幼い少女かもしれません。 長い人生、そんな天使と呼べる存在に出会えることもあるでしょう。 ずっと... -
『52ヘルツのクジラたち』感想|寄り添い痛みを感じる優しさが声なき声を救う
あなたは声なき声を聞いたことがありますか? 小説のタイトルにある52ヘルツのクジラとは、他のクジラには聞き取ることができない周波数で鳴く、世界に一頭しかいないクジラです。 海にはたくさんのクジラがいますが、その鳴き声が彼らに届くことはありま... -
『35歳、働き女子よ城を持て!』感想|おひとりさま女子こそ持ち家を
「そろそろマイホームがほしいけど、何から手をつければいいかわからない」という人は多いのではないでしょうか。 また、「賃貸と持ち家、自分に合っているのは結局どっちなの?」という疑問を抱えている人もいらっしゃると思います。 今回紹介する「35歳...