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『ちょっと変わった守護天使』感想|三十路女性に贈る、年下草食系男子とのほんわか恋愛物語

自分を助けてくれる、あるいは守ってくれる天使。

それは必ずしも羽が生えて頭に輪っかが付いているわけではありません。

老いた男性かもしれませんし、幼い少女かもしれません。

長い人生、そんな天使と呼べる存在に出会えることもあるでしょう。

ずっと昔から自分を知っている人だったり、突然ふらっと現れた人だったり、出会いはきっと様々です。

手を引いてともに未来へ歩いていけるようなそんな人は、もしかすると自分のごく身近にいるのかも……?

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『ちょっと変わった守護天使』の概要

出典:Amazon公式サイト

タイトルちょっと変わった守護天使
著者山崎マキコ
出版社文藝春秋
出版日2010年8月4日
ジャンル大人のほんわか恋愛小説

仕事に生きてきた主人公の女性はあることがきっかけで左遷されてしまいます。

そんなときに仲が良くなったのは五歳年下のネットワークエンジニアの男性でした。

やたらと仕事人間の彼女になつく草食系後輩男子。

ふたりの馴れ初めとなる物語が始まります。

『ちょっと変わった守護天使』のあらすじ

とあるアパレル企業でバイヤーとして働いていた主人公が左遷された先はCSR活動をする、いわゆる閑職の仕事でした。

五歳年下のネットワークエンジニアの男性は会社に寝泊まりすることが多いというだけの仲だったのですが、閑職に飛ばされてから、ふたりはとんとん拍子で交際をすることになります。

相手に自分が相応しくないのではないかと悩んだりしているあいだに、主人公の前には主導権を握りたがる元カレが現れたりと波乱が起きます。

ふたりの男性のあいだで揺れる主人公はいったいどのような決断を下すのでしょうか。

現代を生きる人たち

物語の渦中となる人物は本宮つぐみ(もとみやつぐみ)、つい先日誕生日を迎え34歳になった仕事人間の女性です。

アパレル企業でバイヤーとして実力を発揮していましたが、上司との不倫が原因でその地位を奪われることになりました。

忙しさからもあり食事などは栄養に気を遣っている暇もなく、本人も自覚しているのですが女性としては可愛げのない性格です。

そんな彼女をずっと見ていた5歳年下のネットワークエンジニアである桜井隆(さくらいたかし)は、メガネで見るからにオタクな雰囲気で、「二次元にしか理想の女はいない」と語る後輩でした。

つぐみと関係持ち始めてから次々に「以前から言おうと思ってました」「ずっと気になってたんですが」と口にするあたり、相当彼女を気にかけていたのだろうということがわかります。

そんな彼がふいに見せる奇妙なこだわりが実は育った環境にあったり、好きになった人に関しては中学生のようにピュアだったり、可愛い面もたくさんあるのでした。

物語が始まり程なくしてつぐみと桜井は付き合い始めるのですが、ふたりの前につぐみの昔の上司である椎名裕彦(しいなひろひこ)が現れます。

彼は事務仕事ができなかったつぐみの面倒を見て、世話を焼いてやったり一緒に残業をしてくれるような人で、当時のつぐみはそんな彼にぞっこんでした。

けっきょく椎名の浮気現場を目撃して、それが原因となりつぐみは逃げるように退社してしまいます。

三十路女性のリアル

私はまだ二十代ということもあり、三十路女性のリアルは正直よくわかりません。

しかし今まで本や漫画、アニメやドラマなどで見てきた三十路女性の生活や恋愛模様というものはどこか浮世離れしていて、つまりどういうことかというと一種のシンデレラストーリーのようなものに見えていました。

現実はきっとそんなに甘くないだろう、私の感想はこれに尽きるのです。

本作品の主人公である本宮つぐみはと言うと、まず上司との不倫が原因で社内の中核であるバイヤーを降ろされCSR活動を任せられます。

そこからつぐみの快進撃が始まるのかと思いきや、そもそも本人が不倫という背徳行為をしていたこともあるのか大きな変化はそうありません。

そこにあったのは五歳年下のオタク男子との、なんとも嚙み合わないピュアな恋愛なのでした。

対照的な者同士カップル

つぐみは自分で自分を尻軽だと言います。

そんなつぐみから見た桜井の恋愛の仕方はまるで中学生でした。

同棲を始めても寝る場所は別々でキスすらしようとしない……。

これでは女性としての魅力がないのか、そもそもこんなピュアな桜井に自分のような尻軽は相応しくないだろう、などと悩んでしまうつぐみの気持ちもわからなくもありません。

その噛み合わなさこそがこの作品の楽しいポイントのひとつでしょう。

それでもたまに見せる桜井の可愛らしい一面が、女性は放っておけないのだと思います。

付き合うということが体の関係を持つことから始まると思っているつぐみと、付き合っていても手を繋ぐことさえ精一杯の桜井。

そんなふたりがどうして一緒になることを選んだのか、ぜひ読んで確かめてください。

『ちょっと変わった守護天使』を読んだ感想

自分は三十路になったころにはどうなっているのだろう、軽く考えてみようと思うきっかけを作ってくれた本作品に、個人的に感謝しています。

遠からず訪れるその年齢が目の前にやってきたとき、果たして自分は落ち着いているのでしょうか。

三十路は熟女だと、冒頭桜井は言います。

実際そうだとしてそれも悪いことではないと思ったりできるほどの余裕を持ちたいものです。

歳をとることへの楽しみ

現在二十代、もう数年で三十代の階段を登る年齢にきてわたしは未来の自分が見えません。

お先真っ暗というわけではありませんが、鮮明に将来のビジョンが見えているわけでもないのです。

いつからか歳をとることが嫌になりました。

この作品を読んだからと言って将来への不安がなくなるなんてことはありませんでしたが、積もり積もった不安の一部を取り除くことはできたかと思います。

寿退社を見送り仕事に生きてきて、それでも恋を諦められず自らの強さで幸せを勝ち取ったつぐみが、読者の背中を軽く押してくれることでしょう。

読みやすいテンポ

私は山崎マキコの作品を始めて読みましたので、ほかの作品と比べることができませんが本作品に限って言えば、会話が続くことが多く非常にテンポよく読めるということです。

ただ無造作に台詞を並べているわけではなく、きちんと間やテンポ、流れが考えてあるので手抜きなどとは一切思いません。

難しい言葉や展開が出てくるわけでもないので、それに約200ページという手軽さも相まってぽんぽんぽんと気軽に読むことができ大変ありがたいです。

もっとこの人の作品を読みたい、そう思わせてくれ一冊でした。

強く生きる女性たちへ

仕事に生きる女性、恋に生きる女性、大切な誰かのために生きる女性、自分のためだけに生きる女性……。

生き方は人の数だけありますから、すべての女性がつぐみの生き方に勇気を貰えるとは限りません。

けれど、この本はこの時代を強く生きるすべての女性たちにエールを送っています。

男性の言いなりになってラクに生きることよりも、頼りない年下男性との不安定な未来を選んだつぐみはきっと報われることでしょう。

『ちょっと変わった守護天使』はどんな人におすすめ?

三十路女性が主人公ですから、もちろんおすすめしたいのはその年齢層の女性なのですが、やはりここは男性にも読んで貰いたいなと思うのです。

同じ三十代の男性、桜井と同じような二十代後半の男性、そういった点で言うとあらゆる世代の人たちに読んで貰いたいものですが、やはり先に挙げた男性たちでしょう。

あなたと同じ年の女性のリアルはこんな感じですよ、こんな生き方をしていますよ、こんなふうに思っていますよ。

そう伝えたくなります。

  • 仕事に生きる女性たち
  • がんばる人たち
  • ぱぱっと読める本を探している人

など、特におすすめしたいです。

おわりに|ある意味純情な恋愛物語、読めばきっとほっこりします。

この混沌とした時代を生きる女性たちへ、山崎マキコは本を通していろいろなことを伝えてくれます。

どんな状況でも自分らしさを失ってはいけない、わたしはそう告げられた気がしました。

生まれ育った環境のせいと言うべきかおかげと言うべきか、桜井は真っすぐで真面目で、大切な人を大切に扱える人間になりました。

もちろん桜井が生まれ持った優しさも要因のひとつです。

つぐみはきっと、その愛をしっかり受け取り、きちんと返すのでしょう。

わたしはそんなふたりを見て花束を贈りたくなりました。

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