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『こころ』感想|人生の悲劇を目の当たりにする近代文学の代表的名作

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夏目漱石の代表的な名作、『こころ』を読んだことはありますか?

授業で読んだことがあったり、読んでいなくても名前を知っていたりするかもしれませんね。

有名な作品ですが、意外と「読んだことがない」「途中で読むのを辞めてしまった」という声を聞いたことがありました。

今回はそんな方に向けて、『こころ』の面白さや魅力をお伝えできると幸いです。

物語から香ってくる明治の香りと、大正を新しく生きていく決意を、感じ取っていただければと思います。

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『こころ』の概要

出典:Amazon公式サイト

タイトルこころ
著者夏目漱石
出版社集英社
出版日1991年2月25日
ジャンル長編小説

夏目漱石は、近代日本文学の頂点に立つ作家といわれています。

など、数々の名作を残しました。

今回ご紹介する『こころ』は人間の本質を見つめた、夏目漱石の最高傑作です。

『こころ』のあらすじ

『こころ』は夏目漱石が、乃木希典の殉死に影響された作品。

”日本で一番売れている本”です。

上・中・下の3部作で物語は進みます。

先生と私

語り手は男子学生である”私”。

夏休み鎌倉由比浜の海水浴場で、不思議な雰囲気を漂わせる”先生”と出会います。

先生はどこか暗い影があり、親しくなっても心を開いてはくれません。

私は先生に過去を話してほしいと伝えると、来るべき時に伝えると約束をしてもらいました。

両親と私

中でも語り手は、引き続き”私”。

私の父は体調が悪く、私は大学卒業後帰省していました。

父の容態がいよいよ危ないという頃、先生から長文の手紙が届きます。

そこには、先生の人生を揺るがした事件が綴られており、読み進めるとこの手紙は先生の遺書だということが分かりました。

先生と遺書

下は先生の手紙として、物語は進みます。

東京で大学生活を送っていた先生は、”奥さん”が住む家に下宿をしていました。

その下宿先で先生は、奥さんの娘の”お嬢さん”に恋心を抱きます。

そこに先生の親友の”K”が、住む場所に困っているということで、同じ下宿先にやってきました。

しかし、次第にKもお嬢さんに惹かれ、先生に恋の相談をします。

先生はKの気持ちを知りながらもお嬢さんを奪い、それを知ったKは自殺をしてしまうのです。

『こころ』を読んだ感想

私は高校生の頃、授業で『こころ』を読みました。

近代文学は難しそうで苦手なイメージがありましたが、その価値観は裏返り物語に引き込まれていった記憶があります。

『こころ』に出会わなければ、本を読まない人生を歩んでいたかもしれません。

歴史的背景

『こころ』の歴史的背景には、明治天皇の崩御があります。

明治天皇崩御は、私の父の死、先生の死に影響を与えました。

表向きは、親友と同じ人を好きになってしまった悲劇の物語なのですが、実は歴史的な観点で物語を楽しむことができる物語なのです。

何度読んでも発見がある

はじめて『こころ』を読んだのが高校生の頃ですが、大人になり再読するとまた違った気持ちになりました。

大人になってから読むと”人間の残忍さ”や”独占欲”に理解が出来てしまい、考えさせられることが多くあります。

時代背景を織り交ぜ、恋心と人間の醜さを描いた『こころ』。

100年以上も前に描かれた小説ですが、現代人が読んでも深く理解ができてしまうことに驚きを隠せません。

お嬢さんは先生とKどちらが好きだったのか

結局お嬢さんは先生とK、どちらが好きだったのか未だに悩んでいます。

ずっと先生のことが好きだったのか、Kに心変わりをしていたのか。

優柔不断な先生の気を引こうと、お嬢さんはKと仲良くしていたのか・・・。

未だに真実は分からないのですが、ただ、先生もKも失ってしまったお嬢さんが1番悲劇なのではないでしょうか。

『こころ』はどんな人におすすめ?

『こころ』は、このような方におすすめです。

  • 近代文学に苦手意識がある
  • 授業で『こころ』を読んだ
  • 人間のこころを知りたい

日本の近代文学に苦手意識がある方でも、割と読みやすい物語だと思いました。

普遍的な人間のこころ動きについて描かれており、現代人にも刺さる物語です。

どの世代にも、おすすめしたい『こころ』でした。

おわりに

夏目漱石の代表作の1つ『こころ』をご紹介してきましたが、いかがでしたか?

明治天皇崩御がトリガーとなり自殺を図るという、現代ではなかなか考えられない、時代を感じる物語でした。

少々難しい言葉も出てきますが、「日本語が読めて良かった」と美しいセリフや描写に感動することでしょう。

人間の愚かさ、切なさ、こころの動きに、考えさせられる『こころ』です。

全ての日本人に何度も手に取っていただきたい、そんな物語でした。

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