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『ポケモンのしま』感想|大人になる子ども達と、子どもだった大人達へ
ポケットモンスター、縮めてポケモン。 ゲームから始まり、アニメ、カード、マンガ、グッズなど、幅広く展開している大人気コンテンツです。 そんな、今でも子どもから大人まで絶大な人気を誇るポケモンが絵本になりました。 最初のゲーム、ポケットモンス... -
『マザーズ』感想|母親の生々しい葛藤と愛憎
この本には母親になる女性、母親になった女性の生々しい愛憎が描かれています。 妊娠出産流産中絶不倫育児 この物語の中では、子どもに対して様々な立場で、様々な経験をする女性の姿が取り上げられています。 その中には、描写が生々し過ぎて抵抗感を覚え... -
『白磁の人』感想|朝鮮人に愛された日本人の物語
李朝白磁をご存知でしょうか。 李王朝時代の初期から中期に焼かれた白磁です。 飾り気のない温かさ、静かでおおらかで自己主張しない陶磁。 そんな白磁のような人が、浅川巧さんです。 民芸運動の父と呼ばれた柳宗悦が一番尊敬し、一番信頼していた人物で... -
『ラマレラ 最後のクジラの民』感想|捕鯨文化を未来に残すインドネシア部族の魂の葛藤を描いたドキュメンタリー
心静かに漕ぎ出でよ浜を離れる波のままに心静かに夢見て待て人生の嵐に揉まれしときも人生の嵐に揉まれしときも インドネシア諸島の西端にあるレンバタ島には、現代でも狩猟採集文化を残すラマレラの民が暮らしています。 ラマレラ文化の最大の特徴は、世... -
『さよならドビュッシー』感想|「音が聴こえる」唯一無二のミステリー
「ピアノの先生が、事件を解決に導く」。 そんなミステリーは唯一無二ではないでしょうか。 警察は脇役で、ミステリー特有の暗く重たい雰囲気もありません。 作品のなかではいつも音楽が奏でられ、優雅ですらあります。 そんな”斬新な”ミステリー作品であ... -
『幸福はどこにある』感想| 精神科医ヘクトール、「恵まれているのに不幸」の謎を見つける旅に出る
特につらいことがあったわけではない、特別に自分が恵まれていないとか不幸だと思っているわけではない。 でも自分が幸せかと問われると首を横に振りたくなる。 誰かと比べて幸せなのか、幸せなのかそんなことを考えてぐるぐるしてしまうとき、この本を開... -
『偶然の祝福』感想|奇妙な偶然に救われ祝福を授かる小説家の過去と現在
世界は偶然と必然、どちらでできているのでしょうか。 悲しい出来事は偶然だったと割り切って、嬉しい出来事は運命のように必然だったと思い込んで生きることは、なにもみんながみんな現実から目を逸らしているわけではありません。 どちらにせよ我々人間... -
『2番目の悪者』感想|情報化社会で生きるあなたのための大人絵本
今回ご紹介する絵本は林木林さんが現代の大人へ向けて書いた大人のための絵本です。 ネット社会と言われる現代、開かれるスマートフォンの画面にはSNSを中心に発信・拡散される情報が飛び交い、私たちは日々無意識にそれらを受け取り続け、そして時に自ら... -
『ジャッジメント』感想|小林由香が書く「復讐法」が存在する世界
「大切な人が殺されたとき、あなたは『復讐法』を選びますか?」 今回紹介する「ジャッジメント」では、合法的に人間が人間に復讐が可能になる「復讐法」が制定された世界で5つのエピソードからなるお話です。 そんなの現実的じゃないと思われるかもしれま... -
『十二支のはじまり』感想|十二支にネコがいない理由、知っていますか?
十二支は、日付や暦、方角、時刻などに使用されており、中国からやってきました。 日本では干支として年単位で使われるのが一般的だと思います。 この十二支に出てくる動物たちはどのように決まったのか、説話があるのはご存じでしょうか? 各国、各地域で...