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『絹の家』感想|シャーロックが挑む史上最悪な事件
今日も、依頼人がベーカー街221Bの部屋を訪れます。 依頼内容は、復讐のため自分を狙っている男の確保。 依頼人は美術商で、絵画を汽車で輸送中でした。 そのさなかギャングの強盗にあい、絵は爆破され、さらにはギャングの男に逆恨みされ狙われているとい... -
『春、戻る』感想|春とともに戻るのは記憶とそのなかに輝く大切なもの
ある日、あなたの前にあなたの家族だと名乗る知らない人が現れたら、どうしますか? 当然おかしな人だと思い距離をとるでしょう。 警察を呼ぶ人もいるかもしれませんね。 もちろん警戒するにこしたことはありませんが、本当にその人は知らない人なのでしょ... -
『つぎ、とまります』感想|「おかえり」のあったかさ
「おかえりって言われると、ちょっと嬉しいよね。言われないと、なんか淋しいよね。」 結婚した、一人暮らしを始めた、など環境が変わったときに、よく聞く話です。 はじめこの絵本は、乗り物が大好きな子供に買いました。 単純な乗り物絵本のつもりでした... -
『白鳥とコウモリ』感想|真実を追い求めた先に救いはあるか罪と罰の物語
罪を犯した者は、罰を背負って生きることになります。 しかし、罪とはいったい何なのでしょうか。 そして罪に対する罰とは。 世の中には様々な罪があり、罪に軽い重いといった基準があるのか? そして罪を裁くのは誰か。 そこに救いはあるのか。 この小説... -
『きらきらひかる』感想|異質なふたりはただ純粋に恋をし愛を求める
純愛とは、ひたむきな愛のことを言うそうです。 それの定義は人によって異なるとは思いますが、辞書の言う通りだとすればこの物語は紛れもなく純愛小説でしょう。 痛々しいくらいの純度をもって他人を愛し、信じ、そうして暮らしていく。 どこにでもいるご... -
『ゆうきをだして!』感想|子どもも大人も、一歩踏み出すのは難しい!
何か初めてのことをするとき、新しい場所にいくとき、なかなかその一歩が踏み出せないという経験はありませんか? 子どもだろうが、大人だろうが、勇気を出せずに下を向いて立ち止まってしまうことが、誰しもあるのではないでしょうか。 今回ご紹介する絵... -
『放課後の音符』感想|女の子であり女である。17歳の彼女たちの恋愛模様
高校生の彼女たちは、ただ純粋なだけじゃない。 ときには男性たちと一緒にベッドに入る。 大人のような、子供のような、そんな彼女たちの情熱がていねいに綴られていて、読んでいると彼女たちの秘密の恋話にまぜてもらっているみたいです。 【『放課後の音... -
『QJKJQ』感想|殺人という絆で結ばれた家族の末路とは
17歳の少女の家には、”専用の部屋”があった。 家族はその部屋で、日々殺人を行っていました。 それぞれのスタイルを持って日々繰り返されるそれは、人には受け入れられなくとも少女の日常の光景でした。 それが少女の家族の形であり、絆だったのです。 し... -
『希望の国のエクソダス』感想|未来予知のような日本社会の描き方
本書は2000年に出版された作品ですが、そのテーマは現代日本の社会でも十分通用するものばかりです。 教育問題ネットビジネス不登校オンラインでのコミュニケーション 日本という国の現在について、そして未来について。 当時は近未来として描かれた数々の... -
『くじけないで』感想|やさしく寄り添い、背中を押してくれる言葉たち
著者の柴田トヨさんは90歳を過ぎてから詩の執筆をはじめ、この本はその処女作です。 読んで誰もが驚くのは、著者の感性のみずみずしさ。 NHKのラジオ深夜便「列島インタビュー」で紹介されたり、産経新聞の「朝の詩」で注目を浴びたりと、徐々に人々の間に...