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『きらきらひかる』感想|異質なふたりはただ純粋に恋をし愛を求める

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純愛とは、ひたむきな愛のことを言うそうです。

それの定義は人によって異なるとは思いますが、辞書の言う通りだとすればこの物語は紛れもなく純愛小説でしょう。

痛々しいくらいの純度をもって他人を愛し、信じ、そうして暮らしていく。

どこにでもいるごく普通の夫婦が育む愛と、この物語に登場する夫婦の愛に、なんの違いもありません。

たとえその夫婦が、妻は情緒不安定のアル中で夫がゲイで男の恋人持ちのふたりだったとしても……。

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『きらきらひかる』の概要

出典:Amazon公式サイト

タイトルきらきらひかる
著者江國香織
出版社新潮社
出版日1994年5月30日
ジャンル恋愛

妙に心地がいいこの本はしかしたくさんのことを考えさせてくれる、異色の3人をめぐる愛の物語です。

普通からはかけ離れた夫婦とひとりの男子大学生は普通の愛を与え与えられながら、ともに暮らすべくさらに普通から距離をとっていきます。

『きらきらひかる』のあらすじ

見合い婚をしたのは翻訳の仕事をする妻と勤務医の夫……と言うとごくありふれた夫婦に思いますが、それぞれ問題を抱えていました。

妻は精神疾患があり夫はゲイで、しかも男の恋人がいるのです。

もちろんそんなふたりの結婚はお互いの事情をすべて許し合ったすえのことですが、このことが原因で周囲を巻き込んだ一波乱が起きてしまいます。

普通とは呼べない夫婦がたどる道はやはり普通ではなく、はたから見たその道はあまりにやっかいで面倒くさいものでした。

それでも、夫婦は傷つけ傷つきながら愛を求めるのです。

異物な人間たちと、少しの普通

物語の主人公である夫婦の妻である笑子は決して重いわけではない精神疾患を患っています。

そしてこれまた重度とはいかないアルコール中毒患者でした。

深く鬱状態になることもあればすこぶる機嫌がいい躁状態のときもあり、笑子はそのたびに泣きながら物を投げたり壁にかけた絵に向かって歌を歌ってあげたりします。

そして夫の睦月は内科医で、ゲイです。

笑子のことをきちんと愛しており、いつだって彼女のすべてを真摯に受け止めるのは睦月でした。

そんな睦月の恋人は紺という男子大学生で、彼は夫婦からたいへんに愛されて大切に扱われています。

彼が夫婦の結婚祝いに贈ったのはユッカエレファンティペスという、葉がつんつんした観葉植物でした。

それは夫婦の家に、まるで紺本人が同居するみたいに存在しています。

笑子には瑞穂という既婚の友人が、睦月には柿井と樫部というゲイで恋人同士の友人がそれぞれいました。

正しい生き方

ところで、正しい生き方とはんでしょうか。

十人十色の考えがあると思いますが、普遍的な答えとしては学校を卒業したら正社員になって結婚して子供をつくり育てる……というところに行きつくと思います。

笑子と睦月の夫婦はどうでしょう、家事は基本睦月がこなし、笑子が唯一任された家事と言えば就寝前ベッドのシーツにアイロンをかけることだけでした。

睦月は医者という立派な職に就いていますが、笑子の翻訳の仕事はアルバイト程度のものですし、彼女はたまに夫とその恋人の話を聞きたがります。

本人たちはそんな生活を、とても愛していました。

ふたりの両親が自分の子供の配偶者が抱える事情を知らないこと、人工授精のこと、直面するいろんな事実を無視していたかったように思います。

このままでいたい、ずっとこのままならいいのに。

正しい生き方および人生、そんなものは端からないのかもしれません。

脛に傷持つ者

後ろめたい過去や隠したい事実を持つ者同士は、それについて口を出し合うことをためらいます。

相手のそれをつつけば自身にもブーメランのように返ってくることがあるからです。

わたしは、だからこそ脛に傷持つ者同士は平和に過ごせるのだろうと思っていました。

笑子と睦月は特にすべてをさらけ出しお互いを許し合ったうえで結婚に踏み込んだのですから。

精神疾患を持つ笑子と、ゲイで恋人持ちの睦月。

そんなふたりが結婚というかたちをとったのは、普通の夫婦が結婚をする理由となんら変わりはないのではないでしょうか。

愛していたから、ただそれだけのことです。

脛に持つ傷は、愛した人についていた、ただそれだけのことです。

『きらきらひかる』を読んだ感想

それぞれがいわゆるマイノリティに属する夫婦が向き合わなければならない現実と少しずつ和解していき、それでいて自分に素直に生きている姿がわたしはたまらなく好きでした。

こんなに愛しい作品に出会ったのは、もしかすると初めてのことかもしれません。

結婚に含まれるたくさんのこと

結婚は人生の一大イベントだと言う人がいます。

それはそのとおりで、しかも結婚という行為に含まれるのはなにもふたりが夫婦になるということだけではありません。

ほとんどの夫婦が避けて通れない両親と義父母のこと、出産のこと、これからのこと。

普通ではない夫婦も、普通ではないからこそ余計にこじれてやっかいになっていきます。

物語中、異質の夫婦は当然それらの壁にぶち当たり、それゆえ傷つきながらも愛し愛されることを諦めません。

文庫本の裏表紙にもあるとおり、これは純度100パーセントの恋愛小説なのです。

笑子も睦月もそして紺も、残酷なほど純粋で無垢で、そしてお互いを愛しています。

それでも結婚を成したふたりを待つのは厳しい現実でした。

シンプルな恋愛小説

江國香織本人は本作品について、

「シンプルな恋愛小説です」

と語っています。

恋をしたりとかそういうことも無謀で蛮勇で、向こう見ずだと主張します。

だから彼女の言うこれはシンプルな恋愛小説だという発言は皮肉でもなんでもなく、本当のことなのでしょう。

ありふれた恋愛小説でこそないものの、立派な〈シンプルな恋愛小説〉です。

書いた本人が素直に言うのですから誰がなんと言おうとそれは否定できないですが、わたしが上記のように断言する理由としては、人を愛するということは信じるということだと思っているからです。

許し合い、信じ合う。

夫婦は異質なりにそれを素で貫き通しているのです。

こんなにわかりやすい愛が書かれた小説が、ほかにあるでしょうか。

わたしはこの本で見たこと感じたことを生涯覚えていたいと思います。

きらきらひかる、もの

入沢康夫は詩人で、『キラキラヒカル』という詩を書いた人でもあります。

江國香織は本作品のタイトルをそれから拝借しているようでした。

そして章タイトルのうちふたつは絵画からの無断借用だと、言っています。

絵画についてのエッセイを書くほど彼女は絵画作品が好きで、わたしはそのエッセイを読んだことがあるのですが彼女は絵画について語るとき、宝石でも扱うみたいにたいそう厳かに言葉を選びます。

絵画について、そして本作についての書き方はとても似ているように感じました。

彼女のなかできらきらひかるものは、そういったものなのでしょう。

『きらきらひかる』はどんな人におすすめ?

世間一般からの普通からは遠くかけ離れた夫婦のお話ということは、今さら書かなくても理解してもらえたと思います。

しかしながら江國香織から見ても、いち読者のわたしから見ても、これは紛れもなく純愛小説です。

きっと根本から受け付けない人もいるでしょうし、これが純愛?と思う人もいるでしょう。

この本は人が持つ価値観の違いを浮き彫りにしてしまう、そんな本なのだと思います。

  • “変わった”恋愛小説が読みたい人
  • 江國香織独特の世界観に触れたい人
  • 変化がこわい人

などにおすすめしたい作品となっています。

おわりに

『きらきらひかる』は純粋な恋愛小説ですが、ここまで歪なお話がそう呼んでも差し支えないのは江國香織の文章だからこそでしょう。

そして真逆のものはいつだって表裏一体、普通も異常も背中合わせなのです。

続きが気になるわけでもなく、ただ単純に好きな本として読み進めてきたこの本は、わたしのなかでなによりも一番になりました。

笑子が見てる世界、睦月の生き方、紺の自由さ。

自分が大切にしたものを全力で守ろうとするひたむきさは、どこか憧れるものがありました。

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