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何か初めてのことをするとき、新しい場所にいくとき、なかなかその一歩が踏み出せないという経験はありませんか?
子どもだろうが、大人だろうが、勇気を出せずに下を向いて立ち止まってしまうことが、誰しもあるのではないでしょうか。
今回ご紹介する絵本は、そんなときにエールを送ってくれる絵本です。
絵本は『おこだでませんように』のくすのきしげのりの原作をもとに、『かぜのでんわ』のいもとようこが文、絵を担当しました。
両名とも、数々の傑作絵本を生み出している人気絵本作家です。
二人の巨匠による、あたたかく優しい物語をぜひご覧ください。
出典:Amazon公式サイト
タイトル | ゆうきをだして! |
著者 | くすのきしげのり(原作) いもとようこ(文・絵) |
出版社 | 佼成出版 |
出版日 | 2011年4月10日 |
ジャンル | 絵本 |
二人の絵本作家が作り上げた、勇気を出したい人、未知の世界を知りたい人達にエールを送る絵本です。
くすのきしげのりは、小学校の教員として教鞭を取りながら創作活動を行っていました。
いもとようこもまた、教員を経て絵本作家となっています。
この「ゆうきをだして!」の他にも多数、この両名による絵本が出版されました。
土の中で、ひとつの球根がじっとしていました。
他の球根達はとっくに芽を出し、花開いています。
でもこの球根は、どうしても芽を出し外の世界に出ることができなかったのです。
球根は土の中でじっとしています。
仲良しのもぐら達が、土の上もきっと楽しいよと優しく声をかけました。
でも球根は外に出ることができません。
お日様が、そんな土の中の球根を優しくゆっくりあたためました。
そしてついに、球根が芽を出す日がやってきたのです。
球根は土の上に、うっかり芽を出してしまいました。
どんどん大きくなる自分に、小さな芽は戸惑っています。
傍で咲いていたたんぽぽが微笑みながら励ましました。
そして雨もまた、ゆうきをだしてと小さな芽を励まし続けたのです。
つぼみが出てきた小さな芽は、いよいよ不安でいっぱいになりました。
たんぽぽはとっくに背丈を追い越し、仲良しだったもぐらも土の中です。
ひとりぼっちになったつぼみは、固くとじてしまいました。
それでも、お日様はあたたかい光でつぼみを抱きしめ励まし続けたのです。
お日様に励まし続けられたつぼみは、すこしずつふくらみ、色づいてきました。
つぼみは、少しだけひらいてみることにします。
そのとき、モンシロチョウやテントウムシが集まってきました。
待っていたよ、友達だから。
ムシ達の言葉におどろくつぼみは、ついに花を咲かせるのです。
赤くてかわいいチューリップでした。
チューリップが咲くのを待っていたムシ達が、たくさん集まってきました。
仲良しのもぐら達も顔を出し、チューリップに声をかけます。
チューリップは晴れやかな気分で、大きく大きく、花開いたのでした。
私は、幼稚園教諭時代に、製作活動の導入として使える絵本を探していました。
そのとき見つけたのがこの絵本です。
鮮やかでかわいらしいチューリップに目を引かれました。
ストーリーもあたたかく、子ども達に読み聞かせたいと思ったのです。
そんな私が、この絵本を読んだときの感想をご紹介します。
絵本の作画を担当している、いもとようこ先生は日本の昔話や世界の名作などの挿絵も多数手掛けています。
その絵柄に見覚えがある方も多いのではないでしょうか。
個展を開催し、絵本画家としても評価されている作家です。
その多くは、和紙をちぎり貼り絵にし、更に色を着色する技法がとられていました。
私は、とても色鮮やかで、和紙のあたたかみが感じられる絵に惹かれ、この絵本を手に取ったのです。
この絵本の主人公はチューリップですが、まるでその表情がわかるかのように、生き生きと描かれていました。
もぐらやムシ達の表情も、とても柔らかく可愛らしいのです。
目にぱっと入ってくる美しい色彩は、言葉のわからない小さな子ども達の興味も引くことでしょう。
チューリップという身近な花に加え、たんぽぽ、チョウ、テントウムシなど、小さな子達にもなじみ深い生き物がたくさん出てきました。
言葉だけではなく、絵を見て絵本を楽しむという、絵本ならではの楽しみ方も、きっと体験してもらえると思います。
まさに、この絵本のメインテーマだと思います。
勇気を出せば何かが変わるかもしれない、でも変わることが怖い、今のままで十分という気持ちは、私にもよくわかります。
この絵本のチューリップも、変わることを怖れて今のままでいたいと願っていました。
ですが、チューリップには勇気を出したからこその出会いがそこにあったのです。
土の中にいたのでは出会うことのなかった、虫達に出会い、チューリップは勇気を出して良かったと思うのでした。
現実の世界では、例え勇気を出したとしても良い未来が待っているとは限りません。
特に大人になると、余計にそう考えてしまい、なかなか新しい一歩を踏み出せないのではないでしょうか。
でもだからこそ、この絵本の物語がとても尊く思えるのです。
勇気を出せば、今より素敵なことが起こるかもしれない。
それは、一歩を踏み出すことに躊躇している人への希望のエールです。
悪いことが起きるかもしれない、でも、もっと良いことがあるかもしれない、だから勇気を出すのではないでしょうか。
もちろん、慎重であることは大切です。
でも慎重になりすぎて、勇気ある一歩を踏み出せなかったのなら、良いことが起きるかもしれないチャンスもまた逃すことになるでしょう。
この絵本は、子ども達に勇気を出す理由を教えてくれました。
そして大人にも、チャンスを逃すなとエールを送ってくれているように思うのです。
勇気を出すのは大変です。そう簡単に勇気が出せる人ばかりではないでしょう。
チューリップがたくさんの支えを受けて、花を咲かせる勇気を得たように、その背中を押してくれる存在はとても大切だと思います。
しかし、絵本のチューリップは、この存在に気が付いていないのです。
もぐら、お日様、たんぽぽ、雨、彼らはチューリップのことを案じて励ましていました。
ですがチューリップはその存在に気づかず、自分は一人ぼっちだと思っていたのです。
そんなチューリップを、お日様が諦めずに優しく励まし続け、ようやくチューリップは一歩踏み出す勇気を見せるのでした。
これは、現実でもありうることだと思います。
自分がチューリップになることも、お日様になることもあるでしょう。
自分をわかってくれる人などいないと思っていても、意外と近くに心配して励ましてくれている人がいるかもしれません。
どれほど心配して励まし、支えになりたいと願ってもなかなか叶わず、エールを送り続けるしかないということだってあるでしょう。
私には二人の息子がいます。
二人ともまだ小さいですが、いずれ大きくなり親の手を離れていくことでしょう。
もちろん、反抗期だってくると思います。
私はこの絵本のお日様のように、例え気づかれなかったとしても、あたたかくエールを送り続けたいと思いました。
いつかきっと、そのエールが届き、彼らが勇気ある一歩を踏み出せるように信じたいと思います。
この絵本をおすすめしたいのは、こんな人達です。
原作、文・絵の両名とも、多数の絵本を出版している人気作家です。
彼らの作品が好きな方には、この絵本も楽しんでいただけるでしょう。
希望あふれるストーリーですので、子どもに読み聞かせる絵本としても最適です。
言葉のわからない子ども達にも、はっきりとした色合いの絵本は興味を引くのではないでしょうか。
勇気を出すきっかけを探している人や、なんとなく誰かに背中を押してほしい人にもこの絵本はおすすめです。
この絵本がきっと心を前向きにしてくれることでしょう。
いもとようこ先生は、個展のインタビューで大人にこそ絵本を読んで欲しいと答えていました。
子どもの時にはわからなかった絵本の真実が、大人になって初めてわかることも多いからです。
この絵本もそうなのかもしれません。
子どもにとってはストレートに勇気を出すことの意味を教えてくれる物語です。
しかしその難しさを経験している大人にとっては、勇気を出すことへのエールを含んだ物語になるのではないでしょうか。
優しさがつまったこの絵本が、誰かの心を軽くしてくれることを願っています。
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