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『町長選挙』感想|思わず笑顔になれる痛快「精神科医・伊良部シリーズ」第3弾

『町長選挙』は、1作目の『イン・ザ・プール』や第131回直木賞を受賞した2作目の『空中ブランコ』に続く奥田英朗さんの「精神科医・伊良部シリーズ」の3作目。

オムニバス形式の短編集なので、前作を読まずに『町長選挙』だけ読んでも大丈夫です。

戦前より続く名門・伊良部総合病院の跡継ぎであるにも関わらず、まるで子どものようなトンデモ精神科医・伊良部のところには、さまざまな悩みを持った患者が訪れます。

伊良部先生のピュアでぶっ飛んだキャラクターと、患者達との漫才のようなやり取りに、思わずふきだしてしまうこと間違いなしの医療コメディ小説です。

今回はたっぷり笑えて癒される『町長選挙』についてご紹介していきます。

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『町長選挙』の概要

出典:Amazon公式サイト

タイトル町長選挙
著者奥田英朗
出版社文春文庫
出版日2009年3月10日
ジャンル医療小説

本書には、表題作である「町長選挙」の他、「オーナー」「アンポンマン」「カリスマ稼業」の3つの短編が掲載されています。

「町長選挙」においては、デブで注射が大好きなお坊ちゃま精神科医・伊良部と、パンクロッカーでミニスカート白衣の看護師・マユミが、離れ小島の診療所に2か月間赴任することになりました。

そこは住民の勢力を2分する、4年に1度の激しい町長選挙の真っ最中。

特別養護老人ホーム誘致の公約を掲げるため、なんとか日本医師会理事の父親を持つ伊良部先生を自陣営に取り込もうと、接待に多額の賄賂まで飛び交う始末。

いつも言いたい放題・やりたい放題の伊良部先生も、その攻勢にさすがに引きこもりになってしまいます。

「オーナー」「アンポンマン」「カリスマ稼業」における登場人物たちは、実際にニュースで話題になった実業家や芸能人がモデルです。

子どものような伊良部先生にみんな振り回されながらも、肩の力が抜け、また前向きな気持ちになれる、ハートフルコメディとなっています。

『町長選挙』のあらすじ

『町長選挙』は、「オーナー」「アンポンマン」「カリスマ稼業」「町長選挙」の4つの短編小説から構成されています。

全てのストーリーに共通する登場人物は、主人公の伊良部先生と看護師のマユミだけ。

他の登場人物は毎回異なり、1話完結型のストーリーとなっています。

「町長選挙」あらすじ

離れ小島の町役場に、研修でやってきた公務員の宮崎良平。

そこは住民勢力を2分する、4年に1度の町長選挙の真っ只中で、良平も両陣営のどちらにつくか迫られて胃の痛くなる思いをしていました。

そんな中、町営の診療所に精神科医の伊良部と看護師のマユミが赴任してきます。

両陣営は敬老会の支持を得るため、特別養護老人ホーム誘致の公約を掲げようと、日本医師会理事の父親を持つ伊良部先生を自陣営に取り込む作戦に出ます。

無責任で無邪気な伊良部先生は、両陣営に良い顔をした結果、話がこじれてしまいます。

選挙があるからこそ島のインフラが整い文化的な生活が送れるということや、両陣営の島を愛する気持ちを知り、責任の重さに怖気づく伊良部先生。

いつも飄々としている伊良部先生が、珍しく引きこもりになってしまいます。

マユミに「母親に電話する」と脅され、しぶしぶ引きこもりを解消すると、今度は選挙を「棒倒し」で決めればよいと言い出します。

もともと島の運動会のメインイベントが棒倒しだったという経緯から、本当に棒倒しに決定。

島を挙げての棒倒しイベントに、みんな大いに湧きたつのでした。

「オーナー」「アンポンマン」「カリスマ稼業」のモデル

各話の主人公には、それぞれ世間を賑わせた実在のモデルがいます。

「オーナー」の主人公である、大日本新聞の代表取締役会長でプロ野球・東京グレート・パワーズのオーナー「ナベマン」のモデルは、「ナベツネ」こと渡邉恒雄。

「アンポンマン」の主人公である、東大卒・IT会社ライブファストの創業者「アンポンマン」のモデルは、「ホリエモン」こと堀江貴文。

「カリスマ稼業」の主人公である、東京歌劇団出身・44歳でも変わらぬ美貌を誇る白木カオルのモデルは、黒木瞳。

「オーナー」「アンポンマン」「カリスマ稼業」のあらすじ

精神的な病気に悩む「ナベマン」「アンポンマン」「白木カオル」が、伊良部総合病院の地下にある神経科を訪れます。

迎えるのは、デブで注射大好きなトンデモ精神科医・伊良部と、ミニスカ白衣の看護師・マユミです。

患者達は伊良部の自由奔放な言動に困惑し、毎回意味のない注射を打たれながらも、なぜか何度も通院するようになります。

伊良部の自由すぎる行動や発言に振り回されながらも、心を許し、自分を見つめ直す患者達。

徐々に心が解きほぐされ、楽になっていくのでした。

『町長選挙』を読んだ感想

伊良部先生のボケと患者達のツッコミがまるで漫才のようで、沢山の笑いをもらえる作品です。

誰しもがプレッシャーや不安を抱えながら生きていますが、「自分自身を見つめ直し、もっと気楽に生きて良いのだよ」ということを教えてくれる作品でもあります。

肩の力を抜きたい時に「精神科医・伊良部シリーズ」は最適だと思いました。

ユーモアと温かさにあふれたストーリー

伊良部先生相手だと、どんな大物でも伊良部先生のペースに乗せられてしまいます。

誰にも臆さず無邪気に言いたいことを言い、気持ちに正直に自然体で接するので、普段気を張って生きている人も肩の力を抜くことができるのです。

伊良部先生と患者達の会話や、患者の心の中でのツッコミがユーモアたっぷりで痛快です。

また、いつも不機嫌そうで、やたらと露出の高い服装を好む看護師のマユミが、時折垣間見せる優しさに温かい気持ちになれます。

「カリスマ稼業」におけるパンクバンドでのマユミの姿は、とても格好いいなと素直に思いました。

マユミが書いた若さあふれる情け容赦のない歌詞も、一見の価値ありです。

「町長選挙」はいつもと違ったストーリー展開

収められている4話とも、いつもどおり悩める患者達が伊良部総合病院にやって来るパターンかと思いきや、最後の「町長選挙」だけストーリー展開が異なります。

「町長選挙」では、伊良部先生とマユミが、選挙真っ只中の離れ小島の診療所に2か月間赴任します。

安定感のあるマンネリが特徴の「伊良部シリーズ」ですが、いつもとは異なる展開が新鮮でした。

最後は島中がお祭り騒ぎで賑やかな雰囲気の中、「伊良部シリーズ」らしくハッピーエンドで終わるのが良いですね。

世相を風刺

「オーナー」「アンポンマン」「カリスマ稼業」の登場人物たちは、小説が連載されていた2005年~2006年当時に話題となっていた実在の人物がモデルです。

そのため、具体的に顔やキャラクターがイメージできて、パロディや風刺好きな人には非常に面白いと思います。

引退を恐れる新聞社代表取締役会長でプロ野球オーナー、非合理を許せないIT経営者、老いいに恐怖を抱いている女優と、モデルはバラエティ豊か。

当時の発言や行動などと重ねてみると楽しめることでしょう。

『町長選挙』はどんな人におすすめ?

『町長選挙』は、特に以下のような人におすすめしたい小説です。

  • 笑いたい人
  • 悩みを抱えている人
  • スキマ時間に読みたい人

『町長選挙』はユーモアたっぷりのストーリーと、主人公のキャラクターが際立ったコメディ小説です。

神経科を扱った医療小説なので、患者の心の苦悩を描いてはいるのですが、読後感はとても爽やか。

人間関係や会社員生活などで疲れたり、悩み事を抱えていたりする人は、『町長選挙』を読んで声に出して笑ってみてください。

「物事はある程度楽観的に考えることも大事なのだ」と心が軽くなる気がします。

短編なのでページ数が少なく、内容的にもサラッと読めてしまうので、普段読書をあまりしない人にもおすすめです。

短時間で読めるため、通勤・通学などのスキマ時間に気軽に手に取ることができるでしょう。

おわりに|元気と笑いをもらいたい人向けのエンターテインメント小説

本作は、温かくて清々しい気持ちになれる読後感が持ち味のエンターテインメント小説となっています。

掲載されている短編はどれも、最後はしっかりとハッピーエンドで終わります。

伊良部先生はいつも飄々としているのに、時折心に突き刺さるようなことを言って前向きにさせてくれる不思議な存在。

「疲れていたり、元気が出ない時には、伊良部先生の診察を受けて注射を打ってもらいたい。」

そんな気持ちにさせてくれる伊良部先生は、やぶ医者ではなく実は精神科の名医なのかもしれません。

ぜひたくさんの人に手に取ってもらえると嬉しい作品です。

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