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『娘の結婚』感想|忘れてしまった大切なものを小路幸也は父娘の絆で書く

柔らかい雰囲気で描かれた表紙の男女と、簡潔なタイトル。

そのふたつを見てだいたいの人は「親から見た子供の結婚の話だろう」とわかることでしょう。

本作は人間模様の描写や心象描写がとても繊細で、子を送り出す親にも家を出ていく子の立場にもなったことがないわたしの胸にも、じんわりとあたたかさが広がっていきました。

実写ドラマ化をしただけのこともあり、王道な感動系というべきでしょうか、親子の想いや支える周りの人たちの気持ちに心揺さぶられる読者は多いはずです。

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『娘の結婚』の概要

出典:Amazon公式サイト

タイトル娘の結婚
著者小路幸也
出版社祥伝社
出版日2016年6月15日
ジャンル感動・ほっこり

妻を亡くした父親と、立派に育ったその娘のお話です。

たったひとりの親がたったひとりの娘を、きちんと送り出すためにあらゆる準備を進めていくのでした。

『娘の結婚』のあらすじ

妻が交通事故で亡くなったのは娘が9歳のころでした。

男手ひとつでひとり娘を育てた父親は、ある日娘に「会ってほしい人がいる」と告げられます。

来るべきときが来たと思う父親でしたが、相手の男性の名前に引っ掛かりを覚えます。

妻が生きていたころに3人で暮らしていたマンションの、隣の部屋に住んでいた家族のひとり息子でした。

その男の子の母親と妻は折り合いが悪かったことを思い出した父親は、娘の結婚について葛藤を始めます。

父親とその大切なひとたち

国枝孝彦(くにえだたかひこ)は百貨店勤めのとある父親です。

孝彦は自分のことを面相やスタイルがいいわけでもない、真面目なことが取り柄な人間と認識していて妻である佳実(よしみ)との出会いを”形を変えた一目ぼれ”と称していました。

母親がいない娘を育てるにあたり、常に気を配り悲しい思いはさせないようにできることはなんでもやったと、自覚しています。

娘の人生はあの子のもの、幸せになってほしい。

そう願う姿は親の鑑と言えるでしょう。

孝彦の娘、実希(みき)は25歳で職業は編集者です。

幼いころを一緒に過ごした幼馴染と再会し、今は結婚を考えるまでになりました。

その幼馴染である古市真(ふるいちまこと)は実希よりふたつ年上のしっかりとした男性です。

彼は自身の母親に、複雑な思いを抱いていました。

父と娘とは

大きなテーマとして、父と娘という括りがあることは明確です。

なにせ題材が片親である父親とひとり娘で、しかもその娘が結婚して家を出ていくというお話なのですから。

そもそも父と娘という関係は不思議なものがあります。

目に入れても痛くない、なんでも許せてしまう、お嫁にやりたくない……。

あらゆるメディアで父親という生き物はそう語りますが、自分の父親を見ていて、事実そうなのだろうなぁと思うことがあります。

わたし自身は間っ子で次女という立ち位置でしたが、なぜか父親はそんなわたしを姉と弟のふたりよりも気にかけてくれて甘やかしてくれていたように感じるのです。

まず父親は子煩悩でしたから、だからと言ってそこに差別はありません。

ただそれはきっと、わたしが生きていくうえで大事な糧となる思い出であり、確かな愛なのでしょう。

大切な人の、大切な人

この本は、人生において大切なことをたくさん教えてくれます。

まるで人生の教科書みたいに。

見出しにあるように、自分の大切な人の大切な人を想うこと、それがどんなに尊いことかやさしく書かれています。

たとえば孝彦は大切な娘が大切に想う真を信じ、そして大切に想います。

そして母親に対して呪いのような重苦しいものを持っていた真は孝彦の言葉で救われました。

みんな誰かの大切な人だという当たり前だけれど誰しも忘れがちなことを、再認識させてくれるのです。

『娘の結婚』を読んだ感想

娘を想う父の気持ち、大切な人が大切な人を想う気持ち、すべて尊いことに違いはありません。

とても近い存在なばかりに忘れ去られてしまう、大事なこと。

それはいつだって自分を守ってくれるものなのです。

宝物みたいにしまって、光みたいに振りまいていけたなら、そう思います。

表紙から見る簡潔な情報量

表紙のちゃぶ台には、向こうに客用湯飲みが、手前には自分の湯飲みが置いてあることがわかります。

そしてちゃぶ台を挟んだ向こう側にいる男女は若く、男性は軽く頭を下げており女性はそれをじっと、あたたい眼差しで見ています。

こちら側にいるのは間違いなく女性の親でしょう。

しかめっ面をしているのか、はたまたやさしく微笑んでいるのか、どちらにせよそこには若いふたりを包むあたたかさがあることがうかがえます。

本棚からこの本を手に取ったならば、とても素敵な表紙だと誰しもが思うはずです。

絵の柔らかさはさることながら必要最低限のアイテムを描くことで情報もまた必要最低限で済んでいて、パッと見て内容のベースがわかるのですから。

これほどまでに簡潔でぴったりな表紙はないでしょう。

父が娘を想う気持ち

少なくともわたしが知る父親とはときに無愛想で、ときに子ども以上に子どもっぽく、ときに真っすぐです。

けれどいつだってそこには愛が含まれていると、思わずにはいられません。

わたしが父親から受けてきた無償の愛も実希が孝彦から受けてきた無償の愛も同じです。

父が娘を想う気持ちに差はないのです。

『娘の結婚』はどんな人におすすめ?

心がほっこりするお話で、そして実写ドラマ化もしているので万人受けされる作品であることは確かでしょう。

これといった衝撃やどんでん返しがあるわけでもないので落ち着いて読むことができますし、かと言って波がないわけではないのできちんと楽しめます。

  • 家族愛ものが好きな人
  • ほっこりしたい人
  • 程よく泣ける感動系が読みたい人

などにおすすめです。

おわりに

家族の絆や愛というものは人によっては育った環境などにより歪んでしまっている人もいると思います。

今回に限ってはそこに目をつむり万人受け作品と断言しました。

先も語ったように表紙とタイトルで話のベースはわかってしまえるので、そもそも受けつけない人はまず本から手を離すでしょう。

読む読まないの選択ができるのも読書のいいところですね。

読んだ方にはぜひ、自らの大切な人や大切な人の大切な人のことに想いを馳せてみて欲しいです。

孝彦や実希、真や真の両親のことをもっと身近に感じられるはずです。

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