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『しゃべれども しゃべれども』感想|自分で自分を”良し”とすること
「何より、肝心なのは、自分で自分を”良し”と納得することかもしれない」 主人公、今昔亭三つ葉の言葉です。 自分で自分を”良し”とすることは、簡単なことのように思えて実はすごく難しい。 ”良し”が多そうに見える人でも、実は殻をかぶって、それらしく振... -
『高丘親王航海記』感想|魅惑あふれる天竺の世界へ
時は平安時代初期の865年、高丘親王は憧れの土地天竺に旅立ちました。 高丘親王は幼い時に「薬子の変」に巻き込まれ、帝になることができなることができなかった過去を持っています。 しかし、親王は自分の位よりも薬子のことを考えていました。 夜な夜な... -
『間宮兄弟』感想|仲のいい兄弟の毎日に小さな幸せが詰まっている
『間宮兄弟』は、2004年に単行本として出版されたあと、2006年に映画化もされ話題となった作品です。 兄弟も大人になると一緒に出掛けたりすることも少なくなり、家族のもとを離れ一人で暮らす人も多いですよね。 そんな中、いつまでたっても子どものよう... -
『青年のための読書クラブ』感想|滅びまでの100年を強かに生きる乙女たち
聖マリアナ学園。 それはこの物語の舞台であるお嬢様学校です。 20世紀初めに修道女聖マリアナによって設立されました。 設立から滅びまでの100年間、閉ざされた楽園で乙女たちは独自の世界を築いていきます。 政治家に情報を操る存在など様々な在り方をす... -
『鴨川ホルモー』感想|京都を舞台とした奇想天外な青春ファンタジー
『鴨川ホルモー』は、「万城目学」さんのデビュー作で、山田孝之さん主演・栗山千明さんヒロインで映画化、漫画化もされている人気作です。 万城目学さんは日常の中に奇想天外なストーリーを展開する作風で知られていて、「万城目ワールド」と呼ばれていま... -
『えがないえほん』感想|子どもが絶対に笑う?新感覚絵本の魅力
「絵」の「本」と書いて「絵本」。 子ども向けはもちろん、最近では大人向けのものも珍しくなく、様々なジャンルのものが愛されている絵本ですが、その共通点は文字通り「絵が主役であること」だと思います。 しかし、今回ご紹介する絵本には、なんと絵が... -
『君の膵臓をたべたい』感想|生きることは、誰かと心を通わせること
思わず二度見してしまう作品名ですが、安心してください。 作品を読めば、この題名の本当の意味がわかります。 当たり前に過ぎてしまう日々のなかで、「生きる」ことの素晴らしさを感じる場面は、そう多くありません。 この作品は、そんな「生きる」という... -
『炎上する君』感想|わたしたちの背中を押してくれる生温かい物語たち
本に関して、わたしが信用している人間のひとりにお笑いコンビであるピースの又吉直樹がいます。 高校生のころに読んだ村上龍の『コインロッカー・ベイビーズ』もその一冊なのですが、又吉直樹が紹介、絶賛する本には外れがないからです。 そして、西加奈... -
『ぐるぐる♡博物館』感想|博物館の魅力を再発見する旅へ
普段、どれくらいの頻度で博物館へ行きますか? 作家・三浦しをん先生は、 「博物館が好きだ。旅先で博物館を発見したら、とりあえず入ってみる。(中略)博物館は私にとって、胸躍るテーマパークだ」 と断言します。 今回紹介する『ぐるぐる♡博物館』では... -
『ナミヤ雑貨店の奇蹟』感想|ミステリーの巨匠が「奇蹟」を紡ぐ
言わずと知れたミステリー作家・東野圭吾。 数々の秀逸なミステリーを世に送り出していますが、彼の作品はミステリーだけではないのをご存知でしょうか? 「ナミヤ雑貨店の奇蹟」はミステリーとは角度が違った、読者の涙を誘う感動的な物語です。 もちろん...