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ノーラ・ロバーツ『新緑の風に誘われて』逃避行の末にたどり着いた島で彼女を待っていたのは……

DV被害者のヒロインが、やっとの思いで暴力をふるう夫から逃れた先で名前を変えて本当の自分を取り戻し、幸せをつかんでいくお話です。

ヒロインの前世が現世の人生と絡み合い、話が展開していく様がとてもドラマティック。

現代の日常生活で魔術を実践する魔女が登場するのも物語にさらなる彩りを添えています。

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『新緑の風に誘われて』のあらすじ

暴力的な夫から逃れるために交通事故をおこして死んだように見せかけ、家を飛びだしたネルは、あちこち渡り歩いた末に、マサチューセッツ沖に浮かぶ小島にたどり着きます。

到着したその日からカフェでコックとして働きはじめたネルは、男性とは夫のもとから逃げ出して以来二度と関わりを持つまいと決心していました。

しかし、保安官のザックと出会い最初は警戒していたものの親身になり何かと気にかけてくれる彼の人柄に惹かれ、やがて恋に落ちていくのです。

そして運命の導きにより、ネルは自分が何者であるのかを知ることになります。

『新緑の風に誘われて』を読んだ感想

DVを受けて逃げ出すことに成功したものの、ヒロインのネルの心には深い傷が残りました。

引き寄せられるようにしてたどり着いたスリーシスターズ島は、彼女にとってやっと見つけた居場所でした。

雇用主のミアから借りられるようになった小さな黄色いコテージも、固く萎縮していたネルの心を解きほぐしてくれる温かさと素朴さに満ちた家。

最初に見た時からこのコテージに魅せられていたネルは、この場所で寝起きして夜明け前には備えつけのキッチンでクッキーやパン、タルトなどを焼き上げてから勤務先のカフェ・ブックに運んで本屋を訪れる客たちに提供するという毎日を送ることになります。

燃えるような赤毛とアラバスターのように白い肌を持つミアはカフェ・ブックのオーナーでありながら自他共に認める魔女です。

崖の上に立つ家にたった一人で住んでおり、忌まわしい過去について口を閉ざすネルの力になりたい、と折に触れ彼女を気にかけています。

ネルが働き始めるようになってからというもの、頻繁にカフェ・ブックに訪れるようになった保安官のザック、そしてザックの妹でミアと会うたびに反発する副保安官のリプリー。

ネルは意図しないうちに彼らと親しくなっていくのです。

島の住民たちと心温まる交流をしていながらも、彼女はまだ加害者の夫の影に怯えています。

さりげなく心配りしてくれるミアにも最初は語ることのなかった過去について打ち明けることになったのも、ふとしたことで蘇ってきたDVを受けていた頃の恐怖から挙動不審になってしまったことがきっかけでした。

前半では平和でのどかな島の日常を背景に彼女の怯える姿が淡々と語られていますが、しだいに心を解放して、生来の料理や起業家としての才能を発揮し本当の自由を勝ち取っていくその過程は、心温まるものです。

彼女の作り出す美味しい料理やパン、スイーツについての描写もありありと思い描けるほど丹念に、物語に織り込まれています。

彼女の料理の才能を認めケータリングを依頼してくる個性的な人物に、実施されるパーティーの様子などや、彼女を受け入れ育んでいく土地の情景、魔術が現代の生活に息づいている光景が時折ユーモラスに描かれる様子に引きこまれずにはいられません。

後半からは夫が動き始める様子がしわじわと盛り込まれていき、不気味な気配を漂わせて進行していきます。

実際に両者が対面するのは終盤近くになっていますが、そこに至るまでの緊張感の高まる経過描写には息を呑むようなきわどい場面も散在します。

おわりに

心に深い傷を負ったヒロインが、新天地にて強くしなやかな女性になって、ついには命がけで恐れと向き合い、加害者と対決する結末には溜飲が下がること間違いなしです。

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