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今回ご紹介する絵本は、双子のこねずみ、ティモシーとサラの日常を描いた心温まる絵本です。
ティモシーとサラのえほんシリーズは、1989年に一作目が刊行されてから現在まで、長い間愛され続けてきました。
その中で今回選んだエピソードは、シリーズの11作目にあたります。
この物語の主人公は、ティモシーとサラのおばあちゃん。
お裁縫が得意なおばあちゃんが、子どもの頃キルトを通して育んだ友情の物語です。
どこか懐かしく切ない、それでいてほんのり心があたたかくなる読後感がありました。
大人が読んでも心に響く優しい物語に、涙がこぼれるかもしれません。
かわいらしく繊細な絵とともに紡がれる物語を、ぜひお楽しみください。
出典:Amazon公式サイト
タイトル | ティモシーとサラ ありがとうのおくりもの |
著者 | 芭蕉みどり |
出版社 | ポプラ社 |
出版日 | 2008年12月 |
ジャンル | 絵本 |
ティモシーとサラのえほんシリーズの11作目にあたります。
本シリーズは1989年に第一作目となる『おたんじょうびのおくりもの』が刊行されました。
2020年には最新刊の『たのしいおうち』が刊行され、長く愛されている人気シリーズです。
『ありがとうのおくりもの』は作者が親友を病で亡くしたことがきっかけで生まれました。
作者の親友への想いが詰まった、友情の物語が描かれています。
元気いっぱいな双子のこねずみ、ティモシーとサラ。
いつもなら周りの人達も巻き込んで大活躍する二人ですが、今日のお話の主役は、ティモシーとサラが大好きなおばあちゃんなのです。
ティモシーとサラは、おばあちゃんの家へ遊びに来ていました。
朝からとってもいいお天気だったので、おばあちゃんは家の中のキルトや敷物を干すことにします。
もちろん、ティモシーとサラもおばあちゃんを手伝いました。
でも楽しくなったティモシーとサラは、おばあちゃんのキルトの上をごろごろ転がって遊び始めます。
乱暴にしてはダメよ、というおばあちゃん。
そのキルトは、おばあちゃんの大切な思い出のキルトだったのです。
ティモシーとサラは、おばあちゃんの思い出を聞かせてもらうことになりました。
おばあちゃんが子どもだったころのお話です。
おばあちゃんの名前はローズ。
ローズは小さいころからお裁縫が大好きで、村のキルト教室に通っていました。
そのキルト教室には、幼馴染のシェリーも通っています。
でもシェリーはお裁縫が苦手で、外でおもいっきり遊ぶ方が大好きな女の子でした。
そんなシェリーの夢は冒険家になることです。
船に乗って、宝物を探し、いろんな風景を見ることが彼女の願いでした。
キルト教室では、楽しいお茶の時間もあります。
おいしいお菓子を食べながら、先生は古いキルトを見せてくれました。
その中の一枚に、ゆうじょうキルトがあったのです。
先生は、子ども達に一つの提案をしました。
それは、皆でキルトを作るためのブロックを交換して、それぞれのゆうじょうキルトを作ることです。
その日の帰り道、ローズとシェリーは寄り道をして大好きなおしゃべりをしていました。
でもシェリーは、珍しく元気がありません。
シェリーのお母さんは具合が悪く、シェリーは妹や弟達の面倒を見なくてはいけませんでした。
船乗りになって冒険することなど、夢のまた夢です。
そんなシェリーに、ローズは貝殻のボタンに紐を通した首飾りを渡しました。
遠い海から来た貝殻を身に付けていれば、きっと船乗りになれるはずだと、シェリーを励まします。
ローズの優しさに、シェリーの笑顔が戻ったのでした。
次のキルト教室の日。シェリーの姿がありません。
シェリーのお母さんが入院することになり、もうキルト教室に来ることが出来なくなったのです。
ローズはシェリーの家に行きました。
シェリーに、先生から預かったキルトの材料やお菓子を渡します。
そして先生は、手仕事が心配や悲しみを忘れさせてくれると、シェリーに伝言を残したのでした。
でもシェリーはキルトなんて作っている暇はないと、心を閉ざしてしまうのです。
その後、シェリーの引っ越しが決まりました。
ここにいるより、町の方が楽しそうというシェリーの顔は全然楽しそうじゃありません。
ローズはシェリーの弟のズボンがつぎあてされていることに気づきます。
どうせ下手くそだと言うのだろうと憤るシェリーに、ローズは弟想いのお姉さんにしかできないことだと言いました。
そしてシェリーは十分頑張っているとつぶやいたのです。
シェリーの目に、涙が溢れました。
シェリーの引っ越しを受け、キルト教室では皆で力を合わせ、シェリーのゆうじょうキルトを作りました。
引っ越しの日、ローズはシェリーにキルトを渡します。
しかし、いじっぱりなシェリーは、最後まで憎まれ口を叩くのでした。
それからしばらくして、ローズのもとに小包が届きます。
中には一枚のキルトブロックと手紙が入っていました。
短いけど、心のこもった感謝の気持ちが書かれたその手紙には、住所も名前もありません。
でもローズにはそれがシェリーからだとはっきりわかりました。
ローズは自分のゆうじょうキルトの真ん中に、シェリーのブロックを入れて仕上げます。
縫い目が笑っているように見えるキルトブロックには、シェリーの夢が詰まっていました。
私がこの絵本に出会ったのは大人になってからです。
子どもの頃、同シリーズの第一作目、おたんじょうびのおくりものが大好きでした。
あの頃と変わらない、かわいく色鮮やかな絵柄に惹かれ、この本を手に取ったのです。
そして感じた、この絵本の魅力をお伝えしたいと思います。
ティモシーとサラのえほんシリーズの最大の魅力は、あたたかく、愛らしい絵柄ではないでしょうか。
繊細なタッチと色使いは、読者に癒しをもたらしてくれるでしょう。
今作では、キルトをイメージしたデザインが各所にあしらわれています。
キルトの持つ、あたたかさや美しさ、かわいらしさが、この物語を優しく包んでいるような、そんな印象をもちました。
キャラクター達の表情はもちろん、一挙一動も丁寧に描かれ、まるで今にも動き出すかのように生き生きとしています。
背景となる植物や家具、小物も美しく描かれており、じっくりと絵を眺めて楽しむのも良いかもしれませんね。
この絵本を初見で読み聞かせたとき、私は途中、涙がこぼれそうになるのを必死に堪えたのを思い出します。
ローズの友達をおもいやる優しさはもちろん、シェリーの無器用な寂しさや悲しみが、すごく心に刺さりました。
大好きなお母さんが体を壊し、自分も不安でいっぱいなはずなのに、小さな弟や妹のために精一杯のお世話をするシェリー。
いじっぱりなシェリーは、強がることで自分を奮い立たせていたのかもしれません。
張りつめていたその想いが、ローズの優しさに触れて溢れだすシーンにはぐっとくるものがありました。
最後にシェリーがローズに送った手紙とキルトブロックもまた、彼女の無器用さと、シェリーとローズの確かな友情が詰まっており、とても心に響きます。
その後、一度も会うことがなかったという二人。
シェリーもまた、ゆうじょうキルトを眺めながら、誰かにローズのことを懐かしく話せるようになっているといいなと思うのです。
切なさと懐かしさが残るこの優しい物語を、ぜひ実際に読んで心に響かせてください。
本作のサブテーマとなっているキルトですが、キルト教室の先生の言葉にこんなものがありました。
てしごとは、ときには しんぱいや かなしみを わすれさせてくれます。
できるだけ おつづけなさい。
これは、お母さんの入院により、キルト教室へ通えなくなったシェリーに向けた言葉です。
裁縫に限らず、何かに黙々と打ち込むことで悲しみや辛さを和らげるという経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
キルト教室の先生はシェリーの秘めた悲しみや苦しみに気づき、この言葉を送ったのだと思います。
作者は親友を亡くしたことが、この物語を書くきっかけだったと述べていました。
死別、離別に関わらず、生きている限り、悲しみや辛さを背負うことは誰にでもあると思います。
そんなとき、その痛みを和らげてくれるような何かがあるというのは強みではないでしょうか。
ローズやシェリーにキルトがあったように、この絵本を読んだ人達にも、苦しみを和らげてくれる何かとの出会いがあることを願っています。
この絵本をおすすめしたいのはこんな人です。
この絵本は子どもだけでなく、大人が読んでも面白い絵本です。
むしろ大人だからこそ、より心が揺さぶられることもあるでしょう。
イラストも子どもにも大人にも好まれるような、美しさ、かわいさ、あたたかさが備わっています。
たくさんのキルトが出てくるので、キルトや裁縫が好きな方にも楽しんでいただけるでしょう。
絵本が好きな、全ての人におすすめしたい絵本です。
絵本好きなあの人に、感謝を伝えるプレゼントとしても最適なのではないでしょうか。
今回ご紹介した絵本は、キルトを通した心あたたまる友情の物語でした。
この絵本は、誰かをおもいやる心は、きっと誰かの心に届くのだと思わせてくれます。
そして案外難しい、大事な人へ感謝の気持ちを届けるということ。
実際、このご時世ですから、会いたくても会えない人がたくさんいることでしょう。
口に出すことは照れくさくても、その人を想ったプレゼントや手紙を送ってみるのもいいかもしれませんね。
殺伐とした世の中、一種の清涼剤として、この絵本で癒されてみてください。
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