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『ビタミンF』感想|読めば心が元気になる七つのビタミン短編集

最近、日々の生活に疲れていませんか?

この小説はそんな人に、ぜひ読んでほしい一冊です。

作者が題名に込めたビタミンFとは、物語のテーマになっている、Fから始まる英単語の頭文字です。

それぞれ家族、父、友達、闘い、壊れやすい、運といった言葉を表しています。

ビタミンがたっぷりと詰まった七つの短編を読むと、今、家族や年齢といったことでもがいている人は、きっと元気がもらえるでしょう。

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『ビタミンF』の概要

出典:Amazon公式サイト

タイトルビタミンF
著者重松清
出版社新潮社
出版日2003年6月28日
ジャンル家族小説

著者の重松清は1963年、岡山県生まれ。

家族をテーマにした作品が数多くあり、人間の心情を描かせたら右に出る者はいません。

『ビタミンF』のあらすじ

この小説には様々な葛藤を抱えた家族や、夫婦が登場します。

中年に差し掛かった男性の視点で描かれる、七つの短編はどれも完成度が高い作品ばかりです。

今回はそんな中から個人的にぐっときた、三つの短編を紹介します。

弱いゲンコツを握りしめて 

まず始めに紹介するのは『ゲンコツ』という物語です。

主人公の雅夫は38歳。

決して若くはなく、かといって老人でもない中途半端な年代です。

会社の飲み会での出来事。

同僚の吉岡は昔はやったアニメヒーローの、変身ポーズをとりながらカラオケを熱唱します。

そんな姿に苦笑する雅夫。

若い頃は熱く生きていた雅夫ですが、最近では歳とともに身も心も少しずつ疲れていました。

そんなある日、妻の恵子から自動販売機の前でたむろしている中学生たちのことを聞かされます。

注意してほしいと言われるのですが、世間では中年男性を狙ったオヤジ狩りなどがあり躊躇します。

ヒーローのように、握りしめてみたゲンコツは弱っちいものでした。

現実を受け入れる娘の思いに寄り添う 

次は『セッちゃん』という短編。

中学二年生の娘、加奈子が話すセッちゃんという転校生はクラスのみんなからいじられています。

運動会のダンス練習でも、振り付けが変わったことをみんから教えてもらえずに一人ちぐはぐな動きをするセッちゃん。

そんなセッちゃんの様子をあきれた口調で話す加奈子。

両親が、あまりそんなことを言うなといっても、

「だって、それが現実だもん」

『ビタミンF』165ページより引用

と冷めた口調で返すのでした。

思春期で親が来ると恥ずかしいから、運動会に来なくていいと言う加奈子。

しかし、こっそり運動会を見に行く両親は、そこで思いがけない光景を目にするのでした。

壊れやすい心を守る 

最後は『かさぶたまぶた』というお話。

家族も仕事でも感情的にならず、目の前に起こる状況に対して冷静に処理していく、政彦。

妻の綾子が、娘の優香が最近どうも元気がないようだと、政彦に言います。

俺もそう思っていた、と言う政彦ですが娘の様子が昔ほど分からず、話を合わせていたのでした。

そんなある日、優香が朝になっても学校へ行く気配がなく、政彦が部屋に入ると卒業式に飾る自画像の顔にバツ印をつけた絵が目にはいります。

妻から優香が自分は卒業式の答辞を読むようないい子じゃないと、悩んでいるのを聞かされます。

そして優香がお父さんには言わないでと、妻に伝えていたことも。

また会社の慰労会で政彦は後輩に、

「なんかねえ、ニンゲンっぽくないんすよね」

『ビタミンF』288ページより引用

と言われるのでした。

ただ理想の自分になりたくて、がんばってきた政彦は、自分もほんとうは疲れていたのかもしれないと思うのでした。

『ビタミンF』を読んだ感想

家族に対して不器用でもどかしい気持ちや、大人のやりきれない思いといった人の心情がリアルに描かれます。

簡単な言葉で書かれていますが、その文章は心にすっと染みこみ読後は温かい気持ちでいっぱいです。

物語に共感する 

物語にでてくる様々な境遇におかれた登場人物の、気持ちや行動が痛いほど伝わってきます。

この小説を読んだ人は自分にも似たような、家族や友達との闘い葛藤があり、登場人物たちの心情に誰もが共感するのではないでしょうか。

自分にも、そういうことがあると。

勇気づけられる 

家族の中で起こる葛藤に対する答えに、正解はありません。

けれど、葛藤に対して「こうするんだ」と下した決断は尊いものです。

その先にはおそらく成長や希望もあるのだから。

登場人物たちがとる行動に、自分も頑張ろうと背中を押されます。

家族のありがたさについて考える 

父や母、夫婦、友達といった自分以外の立場になり、気持ちを想像することができます。

あの時、相手はこんなふうに思っていたのではないかと。

自分がもがいているとき、家族も同じように、いやそれ以上にもがいているのかもしれません。

それでも、奮い立ち、応援してくれている家族はかけがえのない存在です。

『ビタミンF』はどんな人におすすめ?

『ビタミンF』はこんな人に読んでほしい小説です。

  • 家族や友達のことでもがいている人 
  • 人に対して優しくなりたい人 
  • 疲れていて元気になりたい人 

この作品には、私たちが日常で直面するであろう、悩みや決断が数多くでてきます。

そんな時代が変わっても、決してなくならない不変の問いかけ。

物語を読むと、「よし、自分もがんばろう」と前向きな気持ちが溢れてきます。

おわりに|熱い気持ちを取り戻し毎日の葛藤に立ち向かう

果たして順風満帆な家族があるのでしょうか?

外からはわかりませんが、多かれ少なかれ、人それぞれ何かを抱えてい生きていると思います。

だからこそ、どの短編も心にぐさりと刺さるのではないでしょうか。

家族のありがたみ、人に対する優しさや切なさ、熱い気持ちが込み上げてくる読後感。

『ビタミンF』は家族や友達とともに生きる、日々の葛藤に立ち向かう栄養素を補充してくれるそんな小説です。

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