自分の身の回りは安全、そんな風に考えていませんか?
今回ご紹介する池井戸潤著『ようこそ、わが家へ』は、身近に潜む恐怖を描いた作品です。
戦慄のストーカー、怯える家族、職場の敵。
手に汗握る攻防の行方は・・・?
恐怖のゲームがはじまります。
あなたの身の回りにも、恐怖が迫っているかもしれません。
現代の社会問題を巧みに表した秀作です。
ドキドキハラハラの緊張感あるストーリーを、ぜひお楽しみください。
著:池井戸潤
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『ようこそ、わが家へ』の概要
出典:Amazon公式サイト
タイトル | ようこそ、わが家へ |
著者 | 池井戸潤 |
出版社 | 小学館文庫 |
出版日 | 2013年7月10日 |
ジャンル | サスペンス・ミステリー小説 |
著者の池井戸潤さんは『下町ロケット』や『半沢直樹シリーズ』など、数々の人気小説を出版。
今回ご紹介する『ようこそ、わが家へ』も、27万部を突破しドラマ化された人気作品です。
時間が経つのを忘れ、池井戸ワールドに夢中になれる1冊。
『ようこそ、わが家へ』のあらすじ
思い込みや思惑のずれ、様々な人間模様が繰り広げられる物語。
現代社会では心を許せる相手というのは、ほんのわずかだということを思い知らされました。
現代人の危ういところを、細かく表現されています。
嫌がらせがはじめる
真面目が取り柄の会社員、倉田太一はある夏の日、会社帰りの混雑している駅のホームで、割り込んできた男を注意します。
注意された男は、倉田の自宅最寄り駅から倉田のあとを追ってきました。
倉田は走り巻くことができたと思いましたが、翌朝から倉田家に対する嫌がらせがはじまるのです。
花壇は踏み荒らされ、郵便ポストに瀕死の猫が投げ込まれていました。
対決を決意
注意された男は、見ず知らずの倉田に強烈な悪意を抱いたのです。
嫌がらせは止まりません。
車を傷つけられ、部屋には盗聴器が仕掛けられていました。
執拗に続く嫌がらせから穏やかな日常を取り戻すため、一家はストーカーとの対決を決意します。
さらに窮地へ追い込まれていく
倉田が総務部長として務めるナカノ電子部品株式会社でも、異常事態が発生。
棚卸の際に、二千万円分の商品在庫が消えていることが判明します。
営業部長の真瀬に確認しても、体格が良く声も大きな真瀬に逆に文句を言われ、倉田は言い返せず引き下がってしまいました。
しかし、在庫は確かに帳簿と食い違っているのです。
倉田は嫌がらせ問題だけでなく、社内問題との闘いもはじまるのでした。
『ようこそ、わが家へ』を読んだ感想
読み出したら止まらない1冊でした。
他人事とは思えず、自分もいつか同じ境遇に陥るのではないか・・・。
そう思うと背筋に冷たいものが走り、この世で一番恐ろしいのは人間だと思わずにはいられませんでした。
誰にでも起こりうる怖さ
普通の会社員が自分のちょっとした正義を貫いたことにより、事件に巻き込まれていきました。
その様子はとてもリアルに描かれていて、どんどん恐ろしい悪意に晒されていきます。
正義を貫いたことから逆恨みされるとは知り合いから見知らぬ人まで、このご時世身近にあるものだと恐怖を感じました。
家族の絆
池井戸潤さんの作品『下町ロケット』や半沢直樹シリーズと比較すると、『ようこそ、わが家へ』が一番家族の絆が描かれていると感じました。
倉田は庶民的な父親ですが、家族にとっては素晴らしい父親。
妻や子ども達はたくましく、家族一丸となりストーカーと闘います。
家族がピンチの状況に立たされた時、倉田一家のように力を合わせられたら、どんなに心強いだろうと思いました。
楽しい読書時間を過ごせる
スリルのあるテーマですが、家族のあり方、それぞれの生き方が、恐怖感だけではなく物語を膨らませます。
ストーリー展開が面白く、あっという間に読めてしまいました。
最終局面で、散りばめられた伏線が全て回収されるのには驚きです。
ページをめくる指が止まらない作品でした。
『ようこそ、わが家へ』はどんな人におすすめ?
『ようこそ、わが家へ』はこのような方におすすめです。
- サスペンス・ミステリーが好き
- 池井戸潤さんの小説が好き
- スカっとしたい
『ようこそ、わが家へ』は、サスペンス・ミステリーが好きな方にぴったりの小説。
サスペンス・ミステリー要素だけでなく、登場人物への焦点の当て方は、池井戸潤さんならではの素晴らしさがあります。
また、家族が団結し巻き返していく様子に、スカッとした気持ちになれるでしょう。
おわりに
今回は池井戸潤著『ようこそ、わが家へ』をご紹介してきましたが、いかがでしたか?
題名からは想像できない、衝撃のサスペンスストーリーでした。
家庭と会社、2本立てのトラブルに冴えない会社員が事件解決に向け奮起し、味方になってくれる家族が素敵です。
現代は八つ当たりや嫉妬など、自分勝手な理由から起きる事件が後を立ちません。
もう少し相手を思いやり、相手の状況を想像できたら良いのにと、改めて考えさせられる物語でした。
著:池井戸潤
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