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あなたにはありますか?
誰かといっしょに食べたやさしいごはんの記憶が。
それは家族と、友人と、はたまた赤の他人と食べた料理でしょうか。
記憶に残るやさしいごはんの味はなにもすべてあたたかい雰囲気のなかで食べたものとは限らないでしょう。
時に愉快で楽しかったり時にはつらくて泣きそうだったり、様々な思い出があると思います。
三大欲求のひとつが求める食欲というものはわたしたちの食べたい欲だけでなく、心や体、そして脳やあらゆる機能の満足感を刺激してくれます。
きっと、この本を読んだあとには心もお腹も、満たされていることでしょう。
出典:Amazon公式サイト
タイトル | あつあつを召し上がれ |
著者 | 小川糸 |
出版社 | 新潮社 |
出版日 | 2014年4月28日 |
ジャンル | あたたかな食事 |
本作は小川糸さんが料理やお菓子を表現する力を遺憾なく発揮している作品と言えます。
読んでいるだけでお腹の虫が鳴るような、そんな感覚はめったに味わえません。
小川糸さんの食べ物に対する表現力、そして人のぬくもり。
そういったものが込められています。
7作品がおのおの程よく距離をとっている短編集です。
それぞれのタイトルはすべてが『○○の△△(料理名)』となっており、たとえば5作品目のタイトルは『いとしのハートコロリット』。
話の内容としては最期のためだったり、出発を祝ったり、そして別れのためだったりとその食卓は多様なように思えます。
しかしすべてに共通するのは〈最後〉であること。
それについてはのちに触れたいと思います。
とあるインタビューにて、作者本人は「全体に共通するテーマは”最後の食卓”」だと語っています。
7作品すべて、人生の終わりだったり恋人関係の終わりだったりなにかの終わりを彩る食事を書いています。
そこには楽しい空気もあれば悲しい空気もありますが、どの食事も祝福のための食事と言って過言ではないでしょう。
終わりは始まりという言葉があるように、最後には新たな門出がつきものです。
それが人生の終わりであろうと。
少なくとも、わたしにはそう感じられます。
わたしにも思い出のごはんがあります。
小学生のころ、夏休みの楽しみに家族で行く海がありました。
早朝、誰もいない砂浜でわたしたちは父が作る少し硬い飯盒の白ごはんと不格好な目玉焼き、それとお湯を入れ過ぎて薄味になったインスタントのお味噌汁で朝ごはんを済ますのです。
本作のテーマには沿いませんが、わたしのなかで思い出のごはんと言えばこれしかありません。
思い出に残るごはんとはなにも味ばかりが残るのではないでしょう。
その場の雰囲気やそのときになにがあったのか、空気そのものが好きだったということもあります。
そういった思い出はもしかすると生涯を支えてくれる思い出になるかもしれません。
これを読んでいるあなたにも、そんな思い出があることを祈って。
7作品中の5作目にあたる『いとしのハートコロリット』。
とあるおばあさんは旦那との記念日を祝うため、おめかしをしてふたりでよく行ったパーラーに出かけます。
内装もボーイの接客も昔とはずいぶん変わってしまったけれど、思い出の食事を楽しみます。
しかしそこに知らない女性が現れ失礼なことを言い放ってきて……。
この物語の内容はおばあさんの主観でしか見れません。
けれどなにが起こっているのかは一目瞭然です。
胸が締めつけられるような、切なくて涙があふれそうになるような、そんなお話になっています。
あたたかい食事と言ってもいろんな”あたたかい”があるのだなぁと、読了後のわたしは思いました。
陽気なあたたかさ、涙のあたたかさ、切ないあたたかさ。
先述したような幼いころのごはんの記憶が残っているわたしにも、未来に新しいごはんの記憶が芽生えるのでしょうか。
先のことが少し楽しみになるような、そんな本でした。
先ほども少しだけ語ったように、小川糸さんにはたべものに対する表現力がすさまじく、それは表現力というか、たとえの上手さでしょうか。
そこにあるのは確かに紙に印刷された文字でしかないのに、頭の中には明確にあたたかい湯気をまとうごはんがあるのです。
視覚、味覚、嗅覚、そのすべてがただの文字に支配されてしまいます。
読んでいるだけでお腹がすいてくる、そして読み終わったころにはお腹いっぱいになっている。
まるで色とりどりのごはんが並ぶ食卓のような本です。
満足感や明日を生きる力、そういったものが得られる点としてもそれは食事とそう変わらないのではないでしょうか。
もちろん実際に胃に食べ物は入りませんので、しっかり食事は摂らないといけません。
世の中誰かと囲む食卓にいい思い出がある人ばかりではないでしょう。
けれどこの本を読んで、自分にもそういう未来があるかもしれないと生きる気力になっていればなぁなんて、願わずにはいられません。
悲しい思い出も嬉しい思い出も、そこにあったすべてのごはんが自分のためになりますように。
特にそんな人たちにおすすめしたい作品となっています。
いかがでしたか?
記憶の隅にあったごはんの思い出がよみがえったりしましたか?
それが日々を生きる糧になっていればいいなと、わたしは思います。
小川糸さんはそもそも素朴な日常の描写が上手い作家でもありますが、書いてきたとおり食べ物に関してはこと素晴らしい表現力を持ちます。
そして食事とは日常生活に欠かせないものであり、だからこそ小川糸さんが創る世界の登場人物たちはあんなにまで生き生きとして見えるのでしょう。
そこには確かに、わたしたちと同じように色んなことに悩み、楽しむ生きた登場人物がいるのです。
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