国内小説– category –
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『冥途あり』感想|孤高の天才作家・長野まゆみが紡ぐ昭和ノスタルジー
長野まゆみという作家をご存じですか? 「少年アリス」、「野ばら」など少年をモチーフにした幻想的、耽美な作風に魅せられてしまう女性読者も多いかと思います。 私も子どもの頃からの大ファンです。 今回ご紹介する「冥途あり」は浮ついた時流に流されず... -
『博士の愛した数式』感想|小川洋子が書く人の温かさ【第1回本屋大賞受賞作品】
小川洋子さんは数々の賞を受賞している純文学の作家として有名です。 その中でも第1回の本屋大賞に輝き、映画化もされている『博士の愛した数式』はご存知の方も多いのではないでしょうか。 数学博士とちょっと取っ付きにくい人物を中心としており、本の... -
『おらおらでひとりいぐも』感想|歳月を経た女性の「おもいでぽろぽろ」~
岩手はこのところ“文学”で活気づいています。 岩手県盛岡市在住の作家、沼田真佑さんがデビュー作『影裏』で芥川賞を受賞。 宮澤賢治の父を扱った門井慶喜さんの『銀河鉄道の父』が直木賞受賞。 そして、岩手県遠野市出身、若竹千佐子さんのデビュー作『お... -
ノーラ・ロバーツ『新緑の風に誘われて』逃避行の末にたどり着いた島で彼女を待っていたのは……
DV被害者のヒロインが、やっとの思いで暴力をふるう夫から逃れた先で名前を変えて本当の自分を取り戻し、幸せをつかんでいくお話です。 ヒロインの前世が現世の人生と絡み合い、話が展開していく様がとてもドラマティック。 現代の日常生活で魔術を実践す... -
『かもめ食堂』感想|映画もいいけど原作の本で読んでほしい
2006年3月に公開された映画『かもめ食堂』。 日本人女性サチエがフィンランドで食堂を営みながら繰り出すほんわかしてあったかい気持ちになれる物語です。 フィンランドを舞台にしたことでも注目を集めました。 フィンランドの自然でのどかな雰囲気と綺麗... -
『風の歌を聴け』感想|村上春樹の魅力はデビュー作を読めばわかる。
ノーベル文学賞の季節になると、必ず話題に上がる村上春樹さん。 彼の存在は世界中で知られており、その名はみなさんも一度は耳にしたことがあるはずです。 『ノルウェイの森』は読んだ方は多いのではないでしょうか? 今回は、そんな村上春樹さんのデビュ... -
『和菓子のアン』感想|和菓子を食べたくなること間違いナシ!
スイーツという言葉が流行って久しいですが…。 和菓子って、少し敷居の高いような気がしませんか? 特別な日に用意するお菓子…そんなイメージがありました。 ですが、和菓子のアンを読んで、そんなイメージが払しょくしたどころか、急に和菓子が食べたい衝... -
『レインツリーの国』感想|ネットから始まる恋と彼女に隠された秘密。
「胸キュンする恋愛小説を読みたい…」と思ったときに思い浮かぶ作家の1人に、必ずといってもいいくらい挙げられるのが有川浩さん。 有川浩作品が好きだという人も少なくないでしょう。 実際、2011年の“本好き読者による好きな作家ランキング”では1位にもな... -
重松清『せんせい。』感想|全国の「先生」に読んでほしい。
「僕の描くお話に登場するおとなの職業はおそらく九割以上が教師」 と著者自身も主張するほど、学校を舞台にした「教師と生徒」のお話を数多く描いている重松清さん。 この『せんせい。』という本は特に教師濃度の高い6作品を集めたものです。 世間的に「... -
『ぐらん×ぐらんぱ!スマホジャック』感想|丘紫真璃よりご紹介
はじめまして! 丘紫真璃という子ども向けの本を書いている者です。 この場をお借りしまして、私が書いた「ぐらん×ぐらんぱ!スマホジャック」という本のご紹介をさせていただきたいと思います。 小学館ジュニア文庫小説賞金賞受賞作品で、児童文庫ですが...