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『春にして君を離れ』感想|ミステリーの女王が手掛ける女性の内面とは…?

アガサ・クリスティーといえば、名探偵ポアロをはじめ、ミス・マープルなどミステリーシリーズがとても有名ですよね。

ドラマや映画で観たことがある、という人でも意外と原作を読んだことがないのではないでしょうか。

まして、アガサ・クリスティーのノンシリーズなんてマイナーなイメージです。

しかし、これぞ隠れた名作だと思いますので、ぜひとも紹介させてください。

著:アガサ・クリスティー, 著:中村 妙子, 翻訳:中村 妙子
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『春をして君を離れ』のあらすじ

主人公は良き夫、良き子供たちを持ち、良き家庭を築いてきたと人生に満足している女性ジョーン。

彼女は病気になった娘を見舞うために、イギリスからバグダッドへ旅に出ます。

無事に娘と会うことができ、イギリスへと変えるジョーンでしたが、岐路では砂漠の途中で足止めをくってしまうことになります。

思わぬハプニングに、ジョーンは仕方なく読書や手紙を書いて時間をつぶすことにします。

そんな中で、彼女はこれまでの自分の人生を少しずつ振り返るのです。

完璧に築いたと思っていた家庭は、果たして本当に完璧なのでしょうか?

実は、そう思い込んでいるだけで夫や子供たちはどう感じているのでしょう?

完璧とは、ジョーンの側から見たほんの一部であって、そのジョーンの理想に合わせて周囲が演技をしていたとしたら…?

これまで、40年間も考えようとしていなかった妻として母親としての自分の立場に、ジョーンは今きづき始める…。

『春をして君を離れ』を読んだ感想

ジョーンが「いいところの奥様」と思うのは、ほんの序盤までだと思います。

国や立場が違っても、母親という生き物、女という生き物をこの『春にして君を離れ』に見たような思いです。

また、本作はミステリーではないとは思いますが、ジョーンが自分の内面を覗きこんでいく様子、結論にたどり着くまでの様はまさにミステリーの犯人当てのようです!

探偵と犯人ではなく、ジョーン一人なのですが、かえって一歩一歩と真相に近づく様子がリアリティがあります。

家族について、夫婦の在り方について今でも共感できるポイントが満載で興味深く読むことができるでしょう。

おわりに

この作品が書かれたのは、1944年です。

なんと、75年も前の作品なんですね!

翻訳が新しくなったということもありますが、とても読みやすく、あっという間に読み切ってしまいます。

昨今、日本人作家の間に流行っている「イヤミス」のような雰囲気も感じる作品です。

ぜひ、これを機に他のアガサ・クリスティー作品も手に取っていただきたいと思います!

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