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『永い言い訳』感想|妻に先立たれた中年男の再生と家族の物語

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『永い言い訳』は映画監督・脚本家でもある西川美和さんの長編小説です。

作家である主人公が関係の冷え切っていた妻に先立たれ、やがて家族の姿や愛を見つめ直していくという喪失と再生の物語です。

本作は第28回山本周五郎賞、第153回直木三十五賞候補、2016年本屋大賞第4位に選ばれました。

世間の注目度がわかりますよね。

加えて2016年に西川美和さん自身の手で監督をした同名映画の原作でもあります。

この記事では小説はもちろん、後半では映画についても触れていますので、映画が気になっている方もどうぞお楽しみに。

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『永い言い訳』の概要

出典:Amazon公式サイト

タイトル永い言い訳
著者西川美和
出版社文藝春秋
出版日2016年8月4日
ジャンル家族ドラマ

「妻に先立たれた中年男」と書くと、深い夫婦愛の感動の物語を想像されるかもしれませんが、この夫婦は長年連れ添った結果、関係が冷え切っていました。

事故当時、主人公は取引先である出版社の女性と不倫に耽っていたのです。

もはや愛情を感じていない妻が突然事故死をしても、主人公は悲しむことはありませんでした。

それは主人公が冷たい人間だから…ではなく、「愛」というものを知らない男だったことがやがて明らかになっていきます。

『永い言い訳』のあらすじ

それでは『永い言い訳』のあらすじをご紹介します。

主人公の津村啓こと衣笠幸夫は作家として成功しており、テレビのバラエティ番組にも出演するほど世間に知られた存在です。

一方、妻の夏子は美容師として独立し、スタッフにも慕われているキャリアウーマン。

二人は長年連れ添った中年夫婦ですが、幸夫の希望もあって二人の間に子どもはいませんでした。

旅先のバス事故による妻の突然の死

幸夫はある日、長年連れ添った妻・夏子が旅行先のバス事故で親友とともに亡くなったことを知らされます。

そのとき幸夫は不倫相手と密会中。

幸夫と夏子の夫婦関係は長らく冷え切っていたのでした。

夏子の死を悲しむこともなく、事実をたんたんと受け入れる幸夫ですが、人気作家ゆえに、世間に対しては悲劇の主人公を装うことになってしまいます。

同じバス事故で妻を亡くした大宮陽一との出会い

バス会社による事故報告会の日、幸夫はトラック運転手である大宮陽一に出会います。

陽一は夏子とともに亡くなった親友の夫であり、妻の死を嘆き悲しんで感情を爆発させるという幸夫とは真逆のタイプ。

また陽一には中学受験を控えた真一と保育園に通う灯(あかり)というふたりの子どもがいましたが、陽一自身は運送業の仕事のため、家に帰れない日が続きます。

真一が灯の世話のために中学受験を諦めようとしていることを知った幸夫は、大宮兄弟の世話を買って出るのです。

大宮一家との交流によって衣笠幸夫に起きた変化

幸夫は大宮一家との交流を通して、少しずつ愛情のようなものを抱き始めます。

それは幸夫がこれまで「愛」だと思っていた、自身の自尊心を満たすようなものではありませんでした。

子どもや陽一からの確かな信頼、振り回され意のままにならない日常、どんなに苦しくても守り抜きたいという思いこそが、幸夫の求めていた家族の「愛」だったのです。

そして幸夫は大宮一家や周囲の人間との交流を通して、それまで知ろうともしなかった亡き妻・夏子の姿や思いを知っていきます。

やがて幸夫は心の中で永遠に応えることのない夏子に向けて、語りかけ始めます。

ところがここで感動の展開とはならないのが西川美和さん作品の醍醐味。

幸夫はある日、夏子の遺品の携帯電話に残された未送信メールを発見するのです。

そこにはこう書かれていました…。

もう愛してない。ひとかけらも。

『永い言い訳』を読んだ感想

わたしがこの物語を読んで感じたことは、人は取り返しのつかない大きな後悔を抱えていても、心から人と触れ合うことで人生をやり直すことができる、ということです。

別れは突然訪れます。

亡くなった人は帰ってきません。

けれど幸夫は大宮一家と交流することで、陽一は新たな女性と心を通わせることで、止まっていた時間を前に進め始めます。

妻を失った作家・衣笠幸夫の生き方

不倫をしていた幸夫。

妻が亡くなっても悲しむことのなかった幸夫。

それはコンプレックスと歪んだ自尊心に由来する幸夫の弱さでした。

そんな幸夫は光を失った大宮一家にもぐり込み、母性を知り、家族愛を知っていきます。

けれども愛を知れば知るほど、愛すべき妻を愛すことのないまま失ってしまったという事実が幸夫にのしかかってきます。

結局、不倫相手は幸夫の元を去り、残されたのは妻・夏子への思い。

失って初めて、幸夫の中に夏子が大きく息づき始めるのでした。

妻を失ったトラック運転手・二児の父・大宮陽一の生き方

一方、陽一は妻のゆきを愛していました。

子どもたちにとっても家族の光のような存在だったゆきを失い、陽一も子どもたちも必死に日常を取り戻そうとしますが、心にはぽっかりと穴が開いたまま。

ゆきに語りかけ続ける陽一のもとに、ある日、ある女性が現れます。

陽一にとって子どもの世話を見てくれる幸夫は家族同然ではありましたが、やはり「家族」にはなり得ない幸夫と、「妻」「母親」というものになり得る女性の存在には大きな違いがあったのでしょう。

夫婦とは?家族とは?

妻を失った二組の夫を見て感じたことは、夫婦はどんな関係であれ、かけがえのない存在であるということです。

死んでしまったからといって関係が終わることはありません。

幸夫の中には夏子が、陽一の中にはゆきが確かに生き続けています。

また家族は、ただ一緒に住んでいるだけの関係ではないということも感じました。

父や母、子どもといった役割はお互いの存在があって成り立つものです。

大宮一家の母であろうとした幸夫は、陽一の息子である真一にとっては、断ち切ることのできない大きな存在となり、一家にピンチが訪れたときには幸夫に助けを求めるのです。

互いに思いやり、求め、求められる。

そんな交流によって幸夫や大宮一家は大きな喪失を乗り越えて、再び歩み始めていくのです。

映画を見るなら小説を読む前と後どちらがいい?

結論から言うと、映画→小説→映画をおすすめします。

映画では主人公の衣笠幸夫を本木雅弘さんが演じており、生活感のないところや人間性をこじらせているところを見事に表現されています。

あまりにぴったりな配役なので、当て書き(あらかじめ演じる俳優を決めてから脚本を書くこと)かと思うほどです。

小説からはただの「嫌なやつ」「駄目な男」と取られかねない幸夫の人間性に、本木さんはリアリティと深みを与えています。

またどこか憎めないチャーミングさ、言葉では表現できない哀愁があるのも本木さんならではの魅力ではないでしょうか。

大宮陽一を演じる竹原ピストルさんは家族への愛情深さと不器用さ、トラック運転手らしい風貌を持ち合わせており、こちらも陽一にぴったりの配役。

幸夫との対比もよりわかりやすく表現されています。

そういうわけで、小説だけでなく、映画も見ることをおすすめします。

一方で映画で表現することが難しかったのが、夏子の存在感。

小説にはあった夏子目線の語りが映画ではカットされています。

そのため夏子はあくまで幸夫と大宮一家の出会いのきっかけに過ぎず、幸夫の中に大きな存在感を形成しているという印象は受けませんでした。

映画では、物語の主軸は幸夫と大宮一家になっていると思います。

以上を踏まえて、わたしのおすすめの順番は、

  1. 映画…物語の雰囲気を掴む
  2. 小説…幸夫と夏子を関係性を知る
  3. 映画…小説を踏まえて見直す

です。

『永い言い訳』はどんな人におすすめ?

特にこの作品を読んでもらいたいのはこんな方です。

  • 夫婦・家族関係がしっくりきていない方
  • 大切な人を亡くした方
  • 複雑な人間心理が好きな方
  • 明快な答えのない物語が好きな方

もしあなたが人生の絶頂期にこの物語を読んだならば、もやもやっとした感想を抱くかもしれません。

けれどそれ以外のタイミングで出会ったなら、人生の折々に思い出しすような、ずっと心に残る大切な物語になるのではないでしょうか。

おわりに|『永い言い訳』は後悔を抱えて生きる人にそっと寄り添ってくれる物語

『永い言い訳』には明快な答えが出されていないため、中途半端に物語が終焉を迎えたように感じる方もいるかもしれません。

けれど人生に明快な答えが出せる人間が世の中にどれほどいるのでしょうか?

愛情を求めながらそれを得る方法がわからずに、不倫に走る、体面を取り繕う、風俗に逃げる…。

形は違えど、そんな弱さを自分を重ねる方にはきっと、この物語が寄り添って、これからの生き方に示唆を与えてくれると思います。

後悔を抱えて言い訳をしながら生きていく幸夫の姿はきっといつかのあなたを励ましてくれるはずです。

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