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『天啓の殺意』感想|まさに「魚の目に水見えず人の目に空見えず」な本格的推理小説
今回は、叙述的トリックを得意とされた推理小説家・中町信の作品を紹介したいと思います。 皆さん、小説家・中町信はご存じでしょうか? 実は2009年に、79歳でお亡くなった、今は亡き推理小説家です。 中町信は、1935年生まれの群馬県出身。 早稲田大学... -
『君に舞い降りる白』感想|水晶のごとく透き通った想いが躍動する青春
青春。 この言葉を聞いて、今の自分とは程遠い、または縁がない言葉だと感じますか。 そのように断じてしまうのはもったいないです。 この物語には、ストレートで純粋で、不純なものを知らない透き通った青春が描かれています。 舞台は小さな鉱石店。 心に... -
『みがわり』感想|私は知りたい、その家族のある秘密を
主人公はほぼ無名の新人作家。 執筆活動がうまく進まず不毛な日々を送っていた彼女の前に、突然自分のファンだと名乗る女性が現れます。 その女性は主人公を見て、なぜか涙を流すのでした。 その後、女性の家に招かれ奇妙な依頼を受けることになり・・・。... -
『しろくまちゃんぱんかいに』感想|しろくまちゃん親子に学ぶママの交渉術
絵本をあとがきまで読む、という方はどのくらいいらっしゃるでしょうか。 作者の経歴や人となり、絵本にこめた想いや、簡単な見どころ解説などが書いてありますので、絵本をより深く楽しむのに最適です。 ぜひご一読をおすすめします。 「しろくまちゃんぱ... -
『娘の結婚』感想|忘れてしまった大切なものを小路幸也は父娘の絆で書く
柔らかい雰囲気で描かれた表紙の男女と、簡潔なタイトル。 そのふたつを見てだいたいの人は「親から見た子供の結婚の話だろう」とわかることでしょう。 本作は人間模様の描写や心象描写がとても繊細で、子を送り出す親にも家を出ていく子の立場にもなった... -
『こんなかいじゅうみたことない』感想|子どもの成長はあっという間!
今回ご紹介する絵本は、かいじゅうに生まれながらも、大人しくて礼儀正しいかいじゅうの子どもが主人公です。 かいじゅうの子どもは、保育園で人間の子ども達に出会いました。 でもその子ども達、一筋縄ではいかない、かいじゅうな子ども達だったの... -
『私という病』感想|「どうして私は女であることを楽しめないのか」実体験の生きた哲学
この本の著者の中村うさぎについてご存知でしょうか。 買い物依存症、ホスト狂い、整形など何かと扇情的な話題がつきまとう彼女。 これだけ聞くと「全く自分と違う突拍子もない人物」と感じてしまうかもしれませんが、彼女の著作やインタビューを読むと全... -
『カフーを待ちわびて』感想|差出人不明の手紙が運んだ愛
「私をあなたのお嫁さんにしてください。」 沖縄の島に住む明青(あきお)の元に届いた差出人不明の一通の手紙。 それは以前、明青が神社で絵馬に書いた 「嫁に来ないか。幸せにします。」 の言葉がきっかけでした。 差出人は? 手紙の意図は? 沖縄の小さ... -
『私をくいとめて』感想|他人と関わりあうことへの不安や葛藤、希望を描いた一冊
「だってあなたは私ですから。見放したくても見放せません。いつでも一心同体です」 悩んだとき、困ったとき、アドバイスがほしいときは頭の中のもう一人の私「A」に相談できるから、なんの問題もなく「おひとりさま」を満喫する主人公・みつ子。 根本的に... -
『もうぬげない』感想|ユーモアとプラス思考で困難を乗り切れ!
子どもの頃、着替えで苦労したことはありませんか? 小さな子ども達にとって、ただ着替えることも一仕事です。 大人からするとそんなことでと言いたい事も、子どもからすると一大事!なんて経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。 今回ご紹介す...