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『傲慢と善良』感想|あなたにとっての善良は、相手にとって傲慢かもしれない
傲慢と善良を無料で試し読みする 代表作といえるかがみの孤城や映画化もされたツナグなどで人気の小説家、辻村深月さんの作品『傲慢と善良』。 ブクログ大賞小説部門で受賞もされています。 恋愛や結婚をテーマにした恋愛ミステリー小説ですが、主人公の架... -
『通天閣』感想|この世界に生きる私たちに一ミリの希望を与えてくれる
一度読み始めたら止まらない、コミカルさもあるのになぜか最後には感動で涙が出てしまいます。 不思議と心にほんのり暖かさが残り、「明日からがんばろう」と前向きになれるのです。 読後、いつもこんな思いにさせてくれるのは西加奈子さんの小説。 2009年... -
『そして五人がいなくなる 名探偵夢水清志郎事件ノート』感想|児童書と侮るなかれ、本格ミステリー!
夢水清志郎という名前を、聞いたことがありますか? 今回ご紹介する本は1994年に刊行された、名探偵夢水清志郎事件ノートシリーズの第一作目となります。 現在も名探偵夢水清志郎の事件簿と名前を変え、第二シーズンが刊行されている人気シリーズの始まり... -
『アラビアの夜の種族』感想|豊饒な文章に耽溺できる、虚実めくるめくアラビアンナイト
奇想天外な発想でジャンルボーダレスな傑作を生み出し続ける古川日出男さん。 『アラビアの夜の種族』は彼の最高傑作とも言える大長編。 聖遷暦1213年のエジプト・カイロを舞台に、美貌の奴隷アイユーブが、無敗将軍ナポレオンの目を欺く偽書作りに奔走し... -
『下町ロケット』感想|中小企業が夢と努力を武器に、大企業を翻弄していく爽快ストーリー
第145回直木賞受賞作、池井戸潤の『下町ロケット』。 ドラマも大ヒットしていたので、ご存知の方も多いのではないでしょうか? 今回は改めて『下町ロケット』の魅力をご紹介します。 「お前には夢があるか?オレにはある」 のセリフが有名な、感動のエンタ... -
『わるい食べもの』感想|「おいしい」だけが「食」じゃない
小説家・千早茜さんが食べものについて語ったエッセイ『わるい食べもの』。 「『おいしい』には裏がある」と語る千早茜さんが、ただ「おいしい」だけじゃない「食」にまつわるエピソードをまとめています。 「おいしい」の裏には、膨大な「まあまあ」や「... -
『旅に出よう』感想|旅をする中でさまざまな人に出会い、多様な生き方を知る
旅の良さや醍醐味って何でしょうか。 きれいな景色を見ること。おいしいものを食べること。名所旧跡を訪れること。 どれもたしかに旅をする中で得られる体験ですが、それと同じくらい、いやそれ以上に価値のあること、それは、 「人との出会い」 ではない... -
『子猫が読む乱暴者日記』感想|混沌の文章と予想外の展開に引きずりこまれる驚愕の読書体験
こちらの小説。 「いつもの様にくつろぎながら小説でも読もう」とはいきません。 本書は、読んだ者を未知の小説世界に引きずりこんでしまう恐るべき一冊なのです。 まともな価値観をことごとく拒絶する『子猫が読む乱暴者日記』。 この小説が持つ特異な魅... -
『はじめてのキャンプ』感想|大きい子たちの仲間入りをした小さな女の子
「はじめてのキャンプ」は、子どもならではの動作や心境が描かれている一冊です。 当時の私は、主人公のなほちゃんと自分を重ねていました。自分と似ている部分があったり、気持ちが分かったので大好きな本でした。 この本は、キャンプを通じて、なほちゃ... -
『シズコさん』感想|泣けて笑える母娘の愛憎物語
『100万回生きたねこ』『わたしのぼうし』『ねえ とうさん』など、絵本作家として活躍した佐野洋子さんですが、エッセイや小説も書いています。 今回ご紹介する『シズコさん』は、どうしても愛せない母親との関係に悩み、自責の念にかられ、その思いから解...