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筆が早く、多作な作家として有名な西尾維新さん。
「この本を書くのに、10年かかった」
彼がこの「少女不十分」という小説をこのように語る理由は読めばわかります。
この本は西尾維新という作家が好きであればあるほどに味わい深い作品ですが、もちろん西尾維新さんにあまりなじみがないという方が読んでも十分に楽しめます。
漫画化もされている本作ですが、まずは小説で読んで頂きたいなと思います。
出典:Amazon公式サイト
タイトル | 少女不十分 |
著者 | 西尾維新 |
出版社 | 講談社文庫 |
出版日 | 2015年11月13日 |
ジャンル | ミステリー |
西尾維新さんは2002年に「クビキリサイクル」で第23回メフィスト賞を受賞し、その後も多くの作品がメディアミックスされてアニメや漫画、ドラマにもなっています。
これらのシリーズの中で、1つくらいはどこかで聞いたことのあるタイトルがsるのではないでしょうか?
そんな作者が10年かけて書き上げた、自称あらすじもない過去の話。
単純に監禁ミステリーとしても面白いですが、作者と読者という立場を描いた面もしっかりと書かれているのがこの本の醍醐味だと思います。
不運な大学生男子の日常から、突然の非日常へと場面は移り、歪な監禁生活へと引き込まれていきます。
大学の講義に向かう途中、作家志望の大学生は目の前で凄惨な交通事故の現場に遭遇します。
同じく登校中の女子小学生が大型のトラックに撥ねられてしまうのですが、そのままランドセルを背負っていた四肢がバラバラに弾き飛ばされてしまったのです。
事故にあった小学生の隣には、一緒に登校中の少女がいました。
その少女は2人でゲームをしながら歩いていたようですが、目撃した大学生が驚愕したのは、事故だけではなくその後の少女の行動でした。
事故現場で少女の突飛な行動を唯一見てしまった大学生は、約一週間後にその少女に襲撃を受けることになります。
普通ならば子供の悪戯として流せたかもしれませんが、少女の行動はもはや犯罪行為でした。
その異様さに言いようのない怖さを感じ、大学生は彼女の要求に思わず従ってしまいます。
少女との歪な生活の中で、自身の中にも異常性を感じている大学生は、徐々に恐怖ではなく同情にも似た感情を覚え始めます。
監禁生活からの脱出と、少女の家庭環境の謎に迫るため、隙を見て大学生は脱出します。
そこで見た真実は、あまりにも悲壮な現実でした。
全てを知った大学生は、黙って去るのではなく、少女との対話を選びます。
犯人である少女と、従ってしまう大学生。
2人の加害者と被害者という関係を超えた奇妙な気遣いがより状況の異常性を際立たせます。
こんな監禁生活はあり得ない、そうわかっていながらも読者も2人のことを考えずにはいられないし、いつの間にか不思議な情が沸いてくるのです。
口数は少ないけれども、育ちの良さを感じる小学生の犯人。
物腰は丁寧なのですが、その態度とは裏腹に大胆な犯罪行為を行います。
力ではどう考えても抵抗できるはずなのに、少女の脅迫に従ってしまう大学生。
理不尽な出来事に怒ったり力で解決しようとしたりはせず、どこまでも冷静に状況を把握しようと推理を巡らせてしまったり、少女に奇妙な気遣いを見せたりします。
これらの問いに正解はないかもしれませんが、ものごとには一般的な優先順位があります。
それでも「普通はまずこんなことをしないだろう」と思うような行動をとってしまう人が世の中にはいます。
それは「普通なら」ありえないことであっても、当の本人からすると真剣に考えた結果だったりします。
そういうときに、「普通」をその人に強制するべきなのでしょうか?
そうやって「普通」を強要され続けたら、その人は「普通の人」になるのでしょうか?
多様性が認められるようになりつつある現代、考えてみて欲しいテーマだと思います。
作家志望の大学生はものを書くのが早いとはいえ、なかなか作家としての評価が出ないでいました。
しかし彼の中にある物語を伝えたいと思う相手が明確にできた時、それらは突然輝き始めます。
個性豊かな登場人物たちの波乱万丈な物語は、少女に、そして読者にも「変わり者でも、普通になれないままでも、生きていていいんだよ」という強いメッセージを贈ってくれます。
はじめに書いたように、この本は西尾維新さんファンにはたまらない1冊だと思います。
その他にも、色々な方の心に響く部分があるはずです。
本を読むのが好きな人にも、本を読む理由は様々だと思います。
その中でも、少し現実に疲れたりして、誰かの想像の物語の世界へいきたいと思って本を読むことがある人には、特におすすめしたいと思います。
この本に書かれたことがどれくらい本当の昔話なのかは、読者のご想像にお任せでいいと思います。
大事なことは、この本に出会った方が少しでも前向きに明日を生きていけるようになることです。
どんな年代の方にも、これらの言葉は励ましの言葉になると思います。
物語の力が、これからも多くの人の救いになることを祈っています。
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