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『残穢』感想|「死穢」は感染する。史上最恐のドキュメンタリー・ホラー小説

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『残穢』は、『屍鬼』などで知られるベストセラー作家・小野不由美さんのホラー小説です。

第26回山本周五郎賞を受賞していて、今は亡き竹内結子さん主演で映画化もされています。

本作は、作者をモデルとした小説家の「私」宛に、読者である「久保さん」から1通の手紙が届くことから始まります。

久保さんは、転居したばかりのマンションの部屋に何かがいるような気がすると言うのです。

何かが「さっ」と畳を擦るような音が続き、ある日、いきなり振り返ってみると帯のようなものが床を這っているのを見かけます。

私と久保さんは、好奇心からこのマンションで起こる怪異現象について調査を開始します。

今回は、独特な恐怖に絡めとられてしまうような感覚を覚える『残穢』についてご紹介していきます。

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『残穢』の概要

出典:Amazon公式サイト

タイトル残穢
著者小野不由美
出版社新潮文庫
出版日2015年7月29日
ジャンルホラー小説

『残穢』は、ルポルタージュ形式が特徴的な、ドキュメンタリー・ホラー小説です。

山本周五郎賞を受賞した際には、選考委員が「この本を自分の本棚に置いておく気にはならない」、「手元に本を置いておくことすら怖い」と選評で語るほど、恐ろしさについては高評価を受けています。

小説家である「私」(作者)は、読者の久保さんという女性から、彼女が居住するマンションで起きている奇妙な怪異現象について記された手紙を受け取ります。

私と久保さんは怪異現象の真相を探りはじめますが、原因を辿れば辿るほど、死や怪異現象の連鎖が年月を超えて拡大していることに恐怖を覚えるのでした。

かつてこの地には何があったのでしょうか?

恐怖の連鎖は、いつ、どこで始まり、誰も逃げ切れないのでしょうか?

『残穢』のあらすじ

東京郊外のあるマンションの一室で起こる怪奇現象。

原因を探るため過去へと調査を進める内に、怪異現象や死の連鎖に気付きます。

畳を擦る音、何かの気配、人が居着かない部屋、赤ん坊の泣き声、無理心中、無言電話、床下を徘徊する音、焦げた人の呻き声、顔が歪む絵。

怨みを伴う死穢は伝染し広がっていくのです。

おかしい部屋

小説家の「私」宛に、読者である「久保さん」から1通の手紙が届きます。

その手紙には、転居したばかりの岡谷マンションの部屋に何かがいるような気がすると書かれていました。

何かが「さっ」と畳を擦るような音が続き、ある日、いきなり振り返ってみると金襴緞子の帯のようなものが床を這っているのを見かけます。

イメージしたのは、晴着姿の女が首を吊り、揺れて垂れた帯が畳を擦っている場面でした。

このマンションは人が居着かないと言われていて、他の部屋でも同様の怪異が発生しているようです。

直近で出て行った別の部屋の住人は、引っ越し先で縊死していました。

私と久保さんは、このマンションで起こる怪異現象について調査を開始します。

過去

古地図を確認すると、岡谷マンションの敷地には元々何軒かの戸建てがあり、その内の1軒がごみ屋敷で、住人が変死していたことが分かります。

また、岡谷マンションだけでなく、隣接する岡谷団地にも人が居着かない家があることが判明しました。

岡谷マンション同様首を吊った女だけでなく、悪戯電話、あちこちでする足音や物音、通り過ぎる男の気配などといった怪異が原因で住民が出ていくようです。

団地ができる前には何軒かの戸建てがあり、それらの家では息子が失踪したり、新興宗教に入信して行方不明になったりといったことが起きていました。

お化けが住んでいて、床下を這い回り、薄気味の悪い声で「みんな死ぬ」と言った縁起の悪いことをぶつぶつと呟くのだということでした。

神社の世話役から、岡谷マンションと岡谷団地の土地には戦時中まで鋳物工場とその社宅として長屋があったと聞きます。

そして、工場と長屋がなくなった後に建った戸建てに住んでいた高野家の夫人が、晴着姿で自殺を遂げていたことが判明します。

住民が居着かないマンションに現れる首吊り女性は高野夫人でした。

高野夫人はどこかから聞こえてくる赤ん坊の泣き声と壁から湧き出てくる赤ん坊に悩まされ、自殺を遂げていたようです。

かつて鋳物工場で働いていた人の話によると、工場や長屋では「大勢の焦げた人間の呻き声が聞こえる」「赤ん坊の声が聞こえる」といった怪談が存在していたとのこと。

つまり、話は工場の前に遡ることになります。

穢れの感染

新聞記事により、かつて長屋に住んでいた住人が、嬰児殺しで逮捕されていたことが分かります。

死体を灯油缶や衣装箱に詰めたり、自宅の床下に埋めたり、殺害された嬰児は合計10人以上だと考えられていたようです。

高野夫人を自殺に追い詰めたのは、この赤ん坊たちの声でした。

赤ん坊たちの不幸な死は穢れであり、高野夫人はその穢れに触れて感染してしまったのです。

穢れ、特に怨みの伴う死穢は伝染するため、隔離されなければならず、接触を忌避しなければならないのです。

今度は感染した高野夫人自身が、「首を吊った女」として新たな死穢の感染源となってしまいました。

その後、鋳物工場と長屋の前には「吉兼家」という邸宅が存在したことが分かります。

吉兼家の三男は精神病を患い、私宅監置されていました。

幻聴があり、「怨みを言う声」が放火と暴行を命じていたようであり、床下を徘徊するのを好んでいたようです。

過去にあった団地や戸建てに住んでいた人達の不幸な事件の原因は、兼家家の三男だったのです。

兼家家の菩提寺の住職から、吉兼家より「醜く顔が歪む女性の絵」を預かっていたという話を聞きます。

福岡の奥山家から吉兼家に後妻に入った三喜という女性が実家から持ってきたもので、それ以降、吉兼家には三男の精神病発症などの不幸な出来事が続いたということです。

奥山家は福岡の炭鉱主でしたが、主人が明治の末か大正の初頭に家族を皆殺しにする事件が起こります。

これは「呪われた絵の祟り」と言われており、「聞いただけでも祟られるので触れてはいけない」と言われている最恐の怪談だということです。

鋳物工場で聞こえたという大勢の焦げた人間の呻き声は、奥山家の炭鉱で働き、死んでいった人達の声だったのです。

『残穢』を読んだ感想

本書は、本当に怖いです。

昼の明るい時間帯に読んでいても、背中に寒気を感じ、落ち着かない気持ちになりました。

『残穢』は、怖い話が好きな人にぜひ読んでもらいたいホラー小説だと思います。

現実と創作の境目があいまい

本作は作者自身が主人公として登場し、実体験をつづったルポルタージュ形式で書かれています。

また、作中には平山夢明さんや福澤徹三さんといった実在するホラー作家が登場します。

そのため、どこまでが現実の話で、どこからが創作の話なのかが、読者にとっては非常にあいまいです。

小野不由美さんの文章力・表現力が巧みなため、薄気味の悪い事件のすべてが現実にあったことであるかのように思えます。

特に「本当にあった怖い話」系統のストーリーが好きな人は、恐怖を感じることでしょう。

身近な住む場所に関する事件

人が変死した家やマンションなどのいわゆる「事故物件」。

事故物件については、不動産業者は次の入居者に告知する義務があります。

また、近年では、事故物件の情報をまとめているサイトも広く知られています。

自分の住む家におぞましい過去がないかを気にして、できれば避けたいと思う人が多いということでしょう。

本作は不動産の売買や賃貸について十分に考えるきっかけになる話だと思いました。

絶望

本作の重要な考え方として、穢れの連鎖があります。

悪いもの(穢れ)に触れると伝染していくということです。

特に死による穢れは「死穢」として昔から重要視されており、怨みの伴う死はより強力で恐ろしい影響を与えるとされています。

しかも、人だけでなく、物からも感染することが明らかになっています。

福岡の奥山家で発生した怪異が強力な穢れとなり、全国に伝播していき、その一部が岡谷マンションの久保さんの部屋の怪異に繋がっていたのです。

作者と久保さんは、あまりに広範囲にわたる穢れの広がりに絶望します。

私も同様に「死穢からは絶対に逃げられないのか」と暗澹たる気持ちになりました。

『残穢』はどんな人におすすめ?

『残穢』は、特に以下のような人におすすめしたい小説です。

  • ホラーが好きな人
  • 土地の歴史に興味がある人
  • 小野不由美さんのファンの人

小野不由美さんの小説が持つ独特な雰囲気、死に対する根源的な強い忌避感、いわく付きの家に住むだけで陰惨な死に自然と巻き込まれてしまうという概念。

これらから、本書を読み終わった後も、怪異に絡み取られるような不安な気持ちに襲われます。

小野不由美さんのファンで、怖いホラー小説が好きな人には非常におすすめです。

また、『残穢』では、マンションが建っている土地の来歴を平成→昭和→大正→明治へと遡り、穢れの伝播を調べていきます。

破壊と建設を繰り返しながら築き上げられてきた、現代社会の発展とその影にあった人々の死に思いをはせることができるでしょう。

おわりに|決して逃れることができない普遍的な恐怖

無念の死は一体いつまで未来に影響を与えるのでしょうか?

死の因縁の数珠つなぎからは誰も逃れられないのでしょうか?

死穢が土地に残り続けるものだとすると、誰もが引っ越しの機会がある現在、恐怖はごく身近にあるのかもしれません。

ぜひたくさんの人に本書を読んでもらい、逃げられない底なしの絶望感に浸ってもらいたいです。

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