国内小説
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『すべての神様の十月』感想|死神、疫病神、福の神……さまざまな神様と人間が織り成す素敵なお話
神様は人間よりも人間くさい。 日本の神話やギリシャ神話などに触れていて、そう思うことが多々あります。 実はそんなに神々しい存在ではなくて、私たち人間とそんなに… -
『氷菓』感想|少し変わった青春ストーリーを楽しむならこの作品
勉強に部活動、恋愛を頑張ることはまさに青春時代の醍醐味ですよね。 この物語の主人公はそんな青春とは少しかけ離れた、省エネ主義を貫く男の子。 ひょんな出会いをき… -
『終末のフール』感想|地球滅亡が迫る世で、わたし達はどう生きるのか。仙台のとある団地で暮らす人々の終末の過ごし方
『終末のフール』は、2006年3月に刊行された連作短編集です。 著者は伊坂幸太郎さん。 伊坂さんの作品はどれも人気が高く、読書好きなら誰もが知る日本を代表する作家の…
海外小説
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『花のノートルダム』感想|泥棒作家ジュネが汚辱を栄光に変える
1940年代のフランスで、ある男が一つの小説を紡ぎ出しました。 トイレットペーパーに書きつけられたこの小説のタイトルは『花のノートルダム』。20世紀最大の怪物と呼ば… -
『アーモンド』感想|”感情がわからない”かわいい怪物の物語
人は誰でも頭の中に、見た目がちょうどアーモンドのような、扁桃体と呼ばれる神経細胞の集まりを二つ持っています。 扁桃体は「好き」「嬉しい」「怖い」などの”感情”を… -
『82年生まれ、キム・ジヨン』感想|ある女性の人生をなぞることで浮かび上がる数々の違和感と失望感
平凡な家庭に生まれ育ったある女性の半生が描かれた本書は韓国でベストセラーとなりました。 その反響は韓国国内だけにとどまらず世界中で共感を呼び、物議を醸し出して…
短編集
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『終末のフール』感想|地球滅亡が迫る世で、わたし達はどう生きるのか。仙台のとある団地で暮らす人々の終末の過ごし方
『終末のフール』は、2006年3月に刊行された連作短編集です。 著者は伊坂幸太郎さん。 伊坂さんの作品はどれも人気が高く、読書好きなら誰もが知る日本を代表する作家の… -
『ラビット病』感想|凸凹カップルが織りなす愛らしい日常
数々の恋愛作品を手がける直木賞作家、山田詠美さんの19作品目の小説「ラビット病」。 作品のあとがきに、「この物語は、あくまでフィクションである。」と書かれていま… -
『つめたいよるに』感想|10ページ前後で創られる美しく不気味な世界は江國香織にしか書けない短編集
世界は広い、とはよく言いますがあまりピンとこない人も多いのではないでしょうか。 わたしもそのひとりで、この本はそんなわたしに世界の乱雑さと美しさ、そしてそれが…
ショートショート
エッセイ
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『杏の気分ほろほろ』感想|読めば読むほど色々な顔の彼女に出会える。
モデルとして女優として活躍する杏さん。 大の読書家だったり、筋金入りの歴女だったり、今や三児のママだったりいろいろな顔をもつ彼女。 そんな杏さんの日常を覗き見… -
『マナーはいらない 小説の書きかた講座』感想|気軽に楽しく学べる小説の基礎
小説を読んでいて、「こんな面白い話、どうやって考えつくんだろう」と思うことはありませんか。 あるいは、「趣味で小説を考えているけど、全然上達しない」と悩んでい… -
『村上ラヂオ』感想|こんなラヂオがあったら毎日聴きたい
『ノルウェイの森』や『海辺のカフカ』など数々の名作を生み出し、日本国外でも評価が高い村上春樹さん。 村上春樹さんは、小説意外にも実はエッセイ本も多く出版されて…
紀行文
児童書
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『長くつ下のピッピ』感想|大人の私が子どものピッピに救われる
世界一強い女の子といえば、誰を思いつきますか? 私はもちろん、ピッピを思い出します。 髪はニンジンのようなオレンジ色。 肩にはサルを乗せ、ヘンテコな青い服。 そ… -
『そして五人がいなくなる 名探偵夢水清志郎事件ノート』感想|児童書と侮るなかれ、本格ミステリー!
夢水清志郎という名前を、聞いたことがありますか? 今回ご紹介する本は1994年に刊行された、名探偵夢水清志郎事件ノートシリーズの第一作目となります。 現在も名探偵… -
『怪盗クイーンはサーカスがお好き』感想|謎とロマンが溢れる怪盗物語
怪盗クイーンシリーズは、2002年から続く大人気シリーズです。 怪盗の美学を追い求める、誇り高き大怪盗クイーンが、相棒のジョーカー、世界一の人工知能RDとともに飛行…
絵本
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『きんぎょがにげた』感想|人気絵本作家・五味太郎さんの作品
『きんぎょがにげた』五味太郎 は1977年に、こどものとも年少版で発行され今の装丁の絵本としては1982年に出版されました。 長年愛されてきたこの絵本の作者は、独特の… -
『もこもこもこ』感想|子供の心をつかむ擬音の世界
本を開けた瞬間、シーンとした静寂の世界が広がります。 でもなんでしょう、これから何かが始まるようなワクワク感を感じます。 そうしたらやっぱり「もこ」と出現した… -
『ねずみくんのチョッキ』感想|絵本作家の上野紀子の代表作
絵本作家の上野紀子(うえののりこ)さんが先日2019年2月28日、病気のため78歳で亡くなられました。 上野紀子さんと聞いてもピンと来ない方も多いと思いますが代表作の…